【思ったこと】
980315(日) [生活]ある健康ランドの「倒産」 2/24の日記に書いたように、岡山市内の「健康ランド」の1つのレスパール藤ヶ鳴が96年度は2億2800万円の赤字、97年度は2億8800万円の赤字が見込まれ、3月末で休業することになった。月末は北海道旅行など予定しているため、家族全員で行くのはこれが最後の覚悟で行って来た。 この「健康ランド」は、SPA(水着着用で入る温泉)と男女別の温泉がある。 水着ではいる「SPA」のほうは、タイプの違う浴槽が全部で20種類ほどあり、一部は屋外に通じている。一種の露天風呂のようなものだ。谷をへだてた正面には岡山空港があって、四季の草花が植えられた花壇ごしに航空機の離着陸を眺めることができる。周囲が山なのでもともと空が澄んでおり、飛行場の明かりの影響はあっても、浴槽から3-4等星ぐらいまでの星を眺めることもできる。昨年の「彗星日記」に書いたように、ヘールボップ彗星も、この浴槽から眺めることができた。 男女別の温泉は、洋風と和風という異なる作りになっていて、男女日替わりとなっている。このうち洋風のほうには、屋内に4種類ほどの浴槽、水風呂、サウナ、塩サウナ、屋外に露天風呂、ハーブ湯、うたせ湯、水風呂、キャビンサウナがついている。中でも、体全体に塩をまぶして入る「塩サウナ」はたいへん気持ちがよい。和風のほうは、屋内に2種類の浴槽、檜風呂、ハーブ湯、水風呂、サウナ、塩サウナなど、屋外に普通の浴槽とうたせ湯がある。資金不足に陥ったのか、どちらかというと和風のほうがお粗末で、こちらのほうの屋外のキャビンは単なる「レストルーム」となっていて、殆ど利用者はいない。屋内の「檜風呂」も浴槽の縁に板がはってあるだけで、底の部分はタイル貼りとなっている。休業前に1回だけ行ってみようという方は、洋風に入れる日を選んだほうがベターだろう。 この健康ランドが大幅赤字になった原因については、新聞では、利用料金が高すぎる(通常、大人1800円、子供900円)、市内から離れており(公称、岡山駅から車で30分)、バスの便も少ない、といった理由が掲げられていたようだ。まあ結果論だから何が正しいかは断定できないが、何はともあれ、集客のための営業活動が極端に不足していたことは否めない。例えば、お年寄りの客を呼ぶのであれば、無料送迎バスを走らせるとか地域の高齢者サークルを無料招待するといった企画を考えるべきであったと思う。 チラシには、「バスご利用の場合は、レスパール藤ヶ鳴経由の岡山空港行バスに乗ればバス運賃は負担します」などと書かれているが、このバスが1日何本あるのか、最終便が何時何分なのかはどこにも書かれていない。新しい道路ができたために、レスパール経由で空港に行くよりも、空港経由でレスパールに行くルートのほうがメインになってしまったため、バス利用はますます不便になってしまっている。もっとも、滑走路延長工事の影響で長期にわたり、国道から直行する道路が閉鎖されるという気の毒な点も重なっているが。 このほか、例えば「女性の方が5時以降にペア(二人)でお越しの際は入館料を、お一人様無料になります。←【水着】も女性の方は無料で貸し出し中」などという多様な割引制度も、ごく一部の常連客だけに知れ渡っているだけで、新規の利用者開拓には全く貢献していないようだ。 私の近所でも、なじみの飲食店やスーパーが閉鎖されたり、別の経営者の手にわたるという出来事が数件ほど続いている。いちばん近くにある「津島モール」というショッピングセンターは、以前は、客の出入りが悪く、2F部分のテナントは全面撤退して閉鎖されていた。地下の食料品売場も、近くの「ふじうら」に比べると割高で我が家では殆ど利用しなかった。昨年経営母体が変わったあとは、2Fには大手のレンタルビデオ屋、大規模書店、CD屋、パソコンソフト屋、インターネットカフェなどが入り、地下の食料品売場のほうも、値段はそれほど安くないが鮮度とおいしさを売り物にした業者が入った。車の駐車台数からいって、客の入りはおそらく10倍ぐらいに増えたのではないかと思われる。もうひとつ、きょうの昼に外食したハンバーグ・ステーキレストランは、やはり昨年に大手のファミリーレストランから模様替えしたものであった。ファミリーレストラン当時もけっこう客は入っていたようだが、メニューの内容が和風の鉄火とろろ丼から洋風のステーキ定食に至るまで種類が多すぎて、相当のコストがかかっていたのではないかと思われる。現在は、9割がたがハンバーグ主体の料理で、いちばん手軽な「レギュラーディッシュ150g」は490円だから大学の生協食堂で食べるより安くつく。しかも食後のコーヒーが80円となっているので、若者のグループが軽く食事をして談笑するには便利なのであろう。平日でも駐車場が満杯になるほどの客が来る。時間がないのでこのぐらいにしておくが、岡山市内で確実に売上を伸ばしている「サンマルク」、「長崎ちゃんめん」、「王将」なども、それぞれ絶え間ない経営努力のあとがみてとれる。 少々脱線してしまったが、最初にとりあげた「レスパール藤ヶ鳴」の赤字は、どうも人為的な部分が大きくかかわっているように思えてならない。第三セクターという枠組みのなかで経営陣が創意を発揮しにくいところもあったのかもしれないが、ぜひ態勢を立て直して、再出発をはかってもらいたいものだと思う。 <追記>レスパール藤ヶ鳴の経営体制については、岡山県のページ内に企画内容がある。岡山県の財政事情は全国でも最悪の1つと言われているが、こんなところにも一因があったのか。 |
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