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昨日の日記

6月15日(月)

【思ったこと】
980615(月)[一般]二人で楽しむトランプゲーム(4):楽しみの起源(1)
 2日間ほど空けてしまったが、6/12の日記の続き。今回の連載では、二人で楽しめるトランプゲームとして、大貧民、ナポレオン、七並べを御紹介した。他にも、「ポーカー」、「おいちょかぶ」、「神経衰弱」などいろいろ楽しめるゲームは多いと思う。
今回の連載のタイトルは厳密にはカードゲームと言うべきかもしれないが、日本語の通称として定着している「トランプゲーム」のまま話を続けることにしたい。トランプというのは本来は「切り札」のことを意味していたと思う。
 6/13のどこぞの日記に「みつめあう」というコメントがついていたが、二人でTVゲームをやるとどうしてもディスプレイ画面のほうに目を向けてしまう。つまり二人の視線は平行ということになる。これに対してトランプゲームの場合には、ふつうお互いに向かい合ってやるため、それだけ「みつめあう」機会が増える。そういう点では若いカップルが楽しむにはTVゲームよりトランプゲームのほうが望ましいかもしれない。もっとも二人で神経衰弱などやると、短期記憶能力の差がモロに表面化してしまうので注意が必要かもしれない。

 さて、今回、この時期にこの話題をとりあげたことには別の理由があった。それは、人があることに熱中するプロセスを検討する上で、手頃なモデルケースになるのではないかということだ。なぜなら、
  • トランプゲームは普通、お金を賭けたりしなくてもそれを遊ぶことだけで楽しむことができる。そこで、どういうゲームが楽しいかを調べれば、パフォーマンスに必然的に伴う内在型の強化因を明らかにすることができる。
  • ゲームを行っている最中の行動は、日常生活をとりまく無数の強化因からとりあえず切り離して分析することが可能。それゆえ、そのゲームを構成するルール(ここでは、強化を与える随伴性についての取り決め)と参加者相互の社会的な強化だけで説明が可能であり、実験的操作が容易。
  • 楽しさを適切に説明できる理論は、一般的な労働や趣味と生きがいの関係を正しく理解する上で有用であろう。
といったメリットが考えられるからである。例えば、あるゲームのルールの一部を変更を試みたとする。それによってますますゲームに熱中するようになったとすれば、その変更は、有効な行動随伴性を設定したことの実験的証明につながる。一般社会でのルールと違って、ゲームのルールは当事者間で簡単に変更ができるので、思弁的な推測ではなくて実験的な検討が可能である。「手頃なモデルケース」というのはそういう意味である。
 今回とりあげた「二人で楽しむトランプゲーム」において、楽しめるための条件にはどのようなものがあるか、行動分析的な視点でとらえるみることにしよう。行動分析学では、人が何かに熱中しているとき、そこには必ずその行動を強化する要因があると考える。これを分類してみると、おそらく次のようになるだろう。
  1. 個人のレベルで与えられる結果
    • ゲーム中にいろいろと考え、その思惑どおりに成功(勝利)すること
  2. 二人の相互作用によって得られる結果:
    • お互いの健闘をたたえるという社会的強化
    • 相手を超えるという結果
    • ゲームとは直接関係ないが、ゲーム中に交わされる会話によって得られる交流
  3. 累積的な結果
    • リーグ戦やトーナメント戦での優勝という社会的強化
    • 累積得点の増加や、最高記録に樹立など
時間が無いので、これらについては具体的な考察は明日以降に続く。
【ちょっと思ったこと】
  • 昨日は新聞休刊日。6/16の朝日新聞の一面トップは、サッカーのアルゼンチン戦。その下にNY株式急落と円が146円台まで値下がりしたことの見出しが続く。サッカー熱が冷めたとき日本国民が茫然とするのは、戦後最悪の経済情勢ということになるのだろうか。
【新しく知ったこと】
【リンク情報】
【生活記録】
【家族の出来事】
【スクラップブック(翌日朝まで、“ ”部分は原文そのまま。他は長谷川による要約。【 】部分は簡単なコメント。)】
  • 14日のワールドカップ「日本-アルゼンチン」戦中継番組の世帯平均視聴率(ビデオリサーチ調べ)は、関東60.5%、名古屋48.9%、関西55.8%など。入場券の相場は最高で36万円にも。
  • 北九州市小倉北区の交差点で15日午後、タクシー運転手(53)が1万円札670万円分を歩道橋からばらまき、拾う人で渋滞。「親族との財産分けのトラブルでむしゃくしゃしていた」。
  • 15日のアジア市場は全面安。韓国はマイナス4.8%で11年半ぶりの安値。上海B株は史上最安値。香港はマイナス5.7%、タイもマイナス5.7%、他も+2.3%の台湾を除いてマイナス3-4%。
  • コンパック日本法人と日本DECは15日、年内をめどに合併すると発表。
  • ディスカウント店の草分けの城南電機は15日、自主廃業に向けて全店舗閉鎖。