【思ったこと】
980830(日)[一般]さよなら遊園地 新幹線で岡山駅を通ると、北西側の小高い山の上に観覧車と円形の建物がよく見える。これが「京山ロープウェー遊園」だ。この遊園地が来月の9月6日をもって閉鎖されるというので、一家揃って見納めに行ってきた。 この遊園地、1956年の7月18日にオープンし42年間ものあいだ家族連れに親しまれてきたものの、上段左の写真の看板にあるような諸事情によりこのたびその役目を終えることになったのだという。 確かに、私自身、自転車で10分ほどの近さにあるものの、この遊園地にはあまり魅力を感じず、岡山に来てから7年半にもなるのに今まで一度もここを訪れたことがなかった。お化け屋敷つきで遊具乗り放題、ロープウェイ往復料金込みだからといって、大人2400円、小人1900円は高すぎる。閉園の報道でも無ければ、今後も永久に訪れなかったかもしれない所であった。 夏休み最後の日曜日ということで、混雑を避けて午前中に早目に行ってみた。予想外に人出が少なく、たいがいの遊具は待たずに乗れた。遊具は、観覧車、メリーゴーランド、ジェットコースター、サイクルモノレール、チェーンタワーなど、いかにも昔ながらの遊園地だ。子供の頃に何度か連れていってもらった東京世田谷の二子玉川遊園を思い出した。 さて、実際に乗ってみたところ、観覧車、ジェットコースター、サイクルモノレールなどは、少なくとも初回には予想外にスリルのあることが分かった。いずれも山頂付近から山麓に張り出すように作られているため、眼下に岡山市内が広がり空を飛んでいるような錯覚に陥る。上段右はサイクルモノレールからの岡山市内中心部方面の眺めを示す。また、下段左は、岡山大学方面の景色。 スリルは全く無いが、園の中央部のメリーゴーランドのおばさんが妙に気になった(下段右)。50代後半か60代で、ひょっとしたら開園当初から勤めておられたのではないかと思われるほどの慣れたさばきで、ルーチンをこなしていた。このおばさんの手前が入り口で、客が入場して好みの場所に座ると、入り口のドアを閉めて「しっかりつかまっていてくださーい」と注意を促し、それから郷愁をよぶ音楽と共にゴーランドが周り出す。そして数分間まわったあと、回転をとめて「完全に止まるまで降りないでください」と再び注意を促す。客が降りてくると「ありがとうございました」。その頃には次の客が入り口のところに待っている。左側のドアをあけて客を出して、再び次の客を入場させる。これを延々と繰り返していた。 メリーゴーランドはシンプルだが、やはり遊園地には無くてはならないものだ。また数多くの映画の名場面にも登場してくる。子どもたちに夢を与えて続けて何十年?、このおばさんはどういう気持ちでこの閉園を受け止めておられるのだろうか。 妻の実家のある北九州で長年親しまれてきた「いとうづ遊園・動物園」も、閉園が決まったとか。いまの時代、シンプルな遊具だけで客を呼ぶのは難しくなっているのかもしれない。また、それはそれとして、我が家としても、息子が中1となり、すでに友達どうしでチボリや鷲羽山ハイランドに遊びにいくようになっている。一家で遊園地に遊びに行くのは、これが最後となるかもしれない。「さようなら」という言葉は、閉園となる京山遊園地ばかりでなく、じつは家族揃って遊園地に行くというそのこと自体に向けられていたことに、家に帰ってから気づいた。 |
【ちょっと思ったこと】
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【新しく知ったこと】
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【生活記録】
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【スクラップブック(翌日朝まで、“ ”部分は原文そのまま。他は長谷川による要約。【 】部分は簡単なコメント。)】
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