じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
【チベット東部旅行記(2)】 _20819(月)[旅行]21年半ぶりの上海で、浦島太郎の気分 今回の旅行は、旅行会社の事情により、まず上海で1泊、翌日に上海から成都に向かい、3日目の午後にやっと四輪駆動車に分乗するというゆったりとした日程で始まった。 上海は、1981年の1〜2月に一度訪れたことがあり何と21年半ぶりの再訪ということになる。当時の上海は戦前からの古びた洋館や茶褐色の長屋が建ち並び、高層ビルは数えるほど【左上の写真参照】。郊外の踏切では蒸気機関車を何度か見かけることもあった。 それが今や、何と言ってよいものか。昔の面影は全く無く、至る所に高層ビルが建ち並び、高速道路が縦横無尽に走っていた【写真右上】。浦島太郎の気分というのはこういうことを言うのだろう。 ガイドさんの話にもあったが、上海はもはや中国の都市ではないという人も居るという。そういや、宿舎の虹橋賓館の隣には、「GALAXY HOTEL」が建っていた。その名の通り、ここは無国籍の銀河ステーションなのかもしれない。 もちろん、よいことずくめではない。東南アジアでしばしば見られるのと同様、交差点で停車中の車に新聞やペットボトルなどを売っている貧しい身なりの人々も見かけたし、老人や身体障害の若者による物乞いにも各地で出会った。 いずれにせよ、中国の大都市部の経済発展にはものすごいパワーが感じられる。国の生産力を年齢で比較するのは発展途上国に対して失礼かもしれないが、公園のベンチで、「日本」という大人が子どもたち(=発展途上国)の遊ぶ様子をのんびりと眺めているうちにウトウト居眠りを始め、ふと目が覚めたら、隣のベンチに見ず知らずの巨人が腰掛けていて仰天するという感じがピッタリしている。その評価については意見はさまざまであろうが、とにかく、巨人が座っているということは厳然とした事実だ。多くの日本人は、まだそのことに気づいていないのではなかろうか。 |