じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
【思ったこと】 _60210(金)[心理]ユジンとチュンサンの血液型(前) 昨日の日記では韓国映画「B型の彼氏 MY BOYFRIEND IS TYPE-Bを取り上げたが、その余談として「冬のソナタ」の中にも、「血液型偏見」を助長するような台詞が一箇所だけ挿入されていることにふれた。第四話で、ユジンとミニョン(チュンサン)が2人だけで初めてスキー場に下見に行く時、車の中で交わされた会話の一部であった。 このことが気になったので、夜、このシーンについて、NHKで放送された日本語吹き替え版と、「冬のソナタ」ノーカット完全盤 韓国盤を再生して台詞を抜き書きしてみた(但し、私は韓国語が全く分からないので、英語字幕を書き写すことしかできない)。 まず、NHK日本語吹き替え版のほうの台詞は
いっぽう、韓国盤の英語字幕のほうは
この2つのバージョンを比較して私がどうしても考えなければならないと思うのは以下の3点である。
まず、上記1.の点であるが、まだ読みかけの ●もうひとつの冬のソナタ チュンサンとユジンのそれから(ISBN:484701569X) の中にはこのことについての意図は記されていなかった。 いちばん考えられそうな推測としては、「血液型ステレオタイプ」を利用して、ユジンが「正直者で自分の感情をごまかせない、嘘はつけなくて、そのくせ本当に言いたいことも言えないで鬱々とする。」という性格であることを観客に刷り込ませる効果を狙ったということが考えられる。 ところで、韓国盤の英語字幕では、ミニョンが「I'm a type A too. 」と喋ったことになっている。いっぽうNHK吹き替え版では上述のようにこの台詞がカットされている。NHKが当初放送した吹き替え版では、時間短縮のためにいろいろなシーンがカットされてしまったことは周知の事実であるが、ここで指摘したことはシーンのカットではなく、同じ会話時間の中での台詞のカットである。シナリオ制作者や監督に断った上でのカットだったのだろうか?「ボクも同じA型なんですよ」という一言があるか無いかで、効果はまるで違ってくると思うのだが、NHK吹き替え版ではなぜこれをカットしてしまったのだろう。 ま、それはそれとして、韓国盤でミニョンが語った「I'm a type A too.」にはどういう効果があるのだろうか。 まずミニョン自身としては、「ユジンさん、僕も一緒なんですよ」と共通点を示すことで、仕事上のおつきあいを円滑にしようという意図があったと考えれば納得できる。 次に制作者側としては、「血液型ステレオタイプ」を利用して、ユジンばかりでなくミニョンも「正直者で自分の感情をごまかせない、嘘はつけなくて、そのくせ本当に言いたいことも言えないで鬱々とする。」という性格であることを観客に刷り込ませる意図があったのかもしれない。 さらに、ユジンもミニョンも同じ血液型であるという事実を示すことで、「2人は異母兄妹」という展開を暗示する伏線になっていたという深読みもできるが、ま、兄妹であっても血液型は同じとは限らないから、これはちょっと考えすぎかもしれない。 ところで私個人は、このシーンでどうしても血液型ネタを使うのであれば、ユジンの血液型はO型であるという設定にしたほうが面白かったのではないかと思っている。書き換えると次のようになる。
としておけば、後の展開が面白くなったと思う。なぜユジンはO型でなければならないのかについては、明日の日記に続く。 |