京都心理学セミナーことばと体験をつなぐもの〜心理療法からエコマネーまで〜2001年5月12日(土)13時30分〜17時 京都大学文学部・新館第3講義室 |
20世紀は工業化が驚くほど進んだ世紀でしたが、その反面様々な負の遺産を21世紀に残して行きました。それは、1)お金の暴走、価値評価の手段の崩壊 2)大量生産・大量消費・大量廃棄に伴う環境破壊 2)人と人のコミュニケーションの断絶 です。21世紀私たちはこれらを解決する新しい手段を手に入れなければなりません。そこで登場したのが、「エコマネー」という新しい価値評価の手段です。お金では評価し得ない価値を評価し交換する。そして人と人のコミュニケーションを再構築し、地域コミュニティを活性化します。
一般的に、心理療法はクライアントが語る「ストーリー」や「内容(content)」 に沿って「癒し」の作業を行うものとされています。逆に、行動療法は単なる問題・ 逸脱行動へのリアクティブな(reactive)「対処療法」だと考えられています。しか し、今回ご紹介するAcceptance and Commitment Therapy (以下、ACT) は、その いずれでもありません。クライアントの語る「文脈(context)」に注目し、クライ アントのプロアクティブ(proactive)な行動や体験に注目します。つまり、従来の 心理療法および行動療法とは異なるパラダイムに立つ「メタ心理療法」と言えます。 今回はACTの拠って立つパラダイムから手続きまでを概観し、それに関する実証的 研究の一端をご紹介します。