2月1日(日)
【思ったこと】
980201(日) [一般]国はどこまで個人を守る責任を負うのか(その2)電脳犯罪の被害者は甘えるな
昨日の続き。個人の被害を守るために、ネット上の犯罪を国がどう取り締まるべきかについて、短めに考えてみたい。
1月12日の日記に書いたように、朝日新聞は、ネット宝くじ摘発の事件を1/12の一面(大阪本社版)にとりあげた。その後も「電脳犯罪」という連載記事でネット上の犯罪の危険性を説いている。しかし、危険という割には、被害者の行動はあまりにも稚拙、こんな人たちを守るためにネットを規制する必要があるのかと疑問を持たざるを得ない。
1/29付けの記事「電脳犯罪:ネット宝くじの波紋(中編)」でトラブル急増としてあげられた事例は滑稽である。
- ネット宝くじの飛びついた中年男性は「当たると思ってなければ買わないよ。日本の宝くじより確率はうんといい」
- “広島県警によると、「宝くじ」の購入者は、当選するかもしれないと信じ込んでいる人がいる一方で、「海を守るのに役立つなら、はずれてもいいと思っていた」と話す人も少なくなかった、という。”
- 関西の男子中学生(14)は、ホームページで見たアニメのビデオを買おうと、3万円を銀行口座に振り込んだが、配達されなかった。
- 関東地方の女性(27)は、ホームページで、携帯電話の人気機種を市販の半額で売るとの話に飛びついたが、商品は配達されなかった。
- 電子ネットの掲示板に「失楽園して」と勝手に名前を書き込まれた千葉の女性(50)宅に、3カ月間にわたって見知らぬ相手から電話がかかり続けた。
- チェーンメールの危険性。
この新聞連載記事では、こういう事例を受けて、文部省がインターネット活用のルール作りを始めたとか、「情報倫理の教育をしないと、ますます多様化する『インターネット犯罪』の当事者になったり被害者になったりする可能性がある」との上園忠弘・城西国際大学教授のコメントなどを紹介している。
しかし冷静に考えてみて、これらはインターネット上で緊急に対処すべき被害なのだろうか。
- 「日本のジャンボ宝くじの当選確率が25252分の1であるのに対して、エムジーワールド社のくじは11261分の1であるので「驚きの高確率」であると宣伝されていたらしい。現実には抽選にあたって申込者が該当しないように操作していたので当選確率はゼロであったわけだが、仮に公正に抽選したとして、1/25252に比べて1/11261が高確率だなどと錯覚する申込者のほうが余りにもアホすぎる。まして主催者に当選金を支払う能力があるのか、抽選が公正に行われるのかさえ確認していない。主催者が「富くじ」販売を禁止した刑法187条違反で逮捕されるのは当然としても、被害者まで守る必要はない。そういう者は、どんどん損をして体験学習をすればよいのだ。
- 何度かとりあげているように、初詣の参道などで、某反社会的宗教団体の信者と思われる若者がインチキ募金をしているのをよく見かける。自宅や研究室まで募金を集めにくる者さえいる。「海を守る」募金もそうだが、どういう団体がどういう方式で福祉に役立てるのかを確認せずにお金を差し出すのは、詐欺師に金をくれてやるようなものだ。
- 相手方の正体も十分に確認せずに先に金を送るなどもってのほか。
- これも同様。
- そのような電話が不快であるならば、NTTに相談して、番号を変えるなどいくらでも防御策がとれたはず。
- ネット上では希にチェーンメイルが流れることがあるが、それをうち消す情報も速やかに流れる。全体として、デマの流布を抑えるような自律機能が備わっていると思う。
時間がないので、次回以降に続く(明日は、「1月の『日記猿人界』をふりかえって」の話題になる予定)。
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【ちょっと思ったこと】
- きょうから2月。あっというまに1カ月がすぎた。昨年の今頃は、ヘールボップ彗星に夢中になり始めたことであった。あれからもう1年たったのか、というのが実感である。
- 東京江東区で中3生徒が警察官にナイフで斬りつけ拳銃を奪おうとした事件が起こったそうだ。これについて、テレビの朝のニュースで、某教育評論家が「自立できない不安」が原因であり「武器に頼らない強い精神をつくる」ようによく話し合うことが大切だと言っていた。頭ごなしに押さえつけてはいけないというのはもっともだが、中学生の犯罪の原因を何でもかんでも「自立できない不安」に帰着させるなら評論家などいらない。話し合うことも大切だろうが、日頃から両親や先生と「強い精神をつくるにはどうしたらよいか」を話し合っている生徒は、そもそもそのような非行には走らないだろう。
- 日本相撲協会の理事選挙をめぐって、元北の富士が退職届け、元佐田の山が理事長退任表明、元前の山が高砂一門から破門されるなどゴタゴタが続いているようだ。選挙なんだから、誰でも自由に立候補し、自分の考えを自由に述べ合えばよいと思うのだが、相撲道は民主的な合意形成には役立たないということなのだろうか。
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【新しく知ったこと】
- 西日本テレビ19時からの「だんトツ!!平成キング」という番組はなかなか面白い。「巨人の星」の壁穴通しキャッチボールのことは先週紹介したけれど、今週は、スカイダイビング中(パラシュートが開く前)にキャッチボールができるかどうかチャレンジしていた。
- 猛スピードで併走する車の間ではキャッチボールはできない。ボールが風圧によって押し戻され、キャッチする側の車の後方に押しやられてしまうからである。
- スカイダイビング中に、卵でキャッチボールを試みると、人間よりはるか頭上に行ってしまう。一方、グレープフルーツを投げると、人間より先に落ちてしまう。詳しい物理法則のことは忘れたが、落下加速度は、卵もグレープフルーツも同じ。風圧も力の大きさとしてはたいして変わらないと思うが、質量の小さい卵のほうが同じ風圧によって上向きに押し戻される量が大きくなるというようなことだろうか。高3の時に物理は断念したので、これ以上のことは分からない。
- 軟式のボールが人間が大の字になって落ちる速度とほぼ等しいというのが面白かった。
- 番組では残念ながらボールを取り逃がしたものの、軟式ボールを使えば降下中のキャッチボールは可能、というのが番組の結論であったようだ。
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【リンク情報】
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【生活記録】
夕刻、数カ月ぶりでレスパール藤ヶ鳴へ。
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【家族の出来事】
(本日も更新なし)
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【スクラップブック(翌日朝まで)】
※“..”は原文そのまま。他は長谷川による要約メモ。【 】は長谷川によるコメント。誤記もありうるので、言及される場合は必ず元記事を確認してください。
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