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昨日の日記

2月18日(水)

【思ったこと】

980218(水)
[日記]「オフミ」という不思議な体験
 きょうは文学部恒例の長時間の会議が13:30から19:30頃まで続いた。いつもは発言回数の多いほうのTop5に入る私であったが、きょうのところは寡黙。というのは、心情的には賛成だが原則論的には賛成できないような意見が相次ぎ、賛成すれば心情的にはすっきりするが後ろめたさが残るし、かといって、心情的に望まない方向に動くような意見を展開するのも気が引けたからである。
 そんな会議の中で、きのうの中四国オフミでお会いしたWeb日記関係者の人たちの顔が次々と浮かんでくる。考えてみれば、他学科の教官たちとは月に1回しか顔を合わせる機会がない。話も学部に関わる問題について意見を交換する程度の間柄である。それに比べると、オフミでお会いした人たちのほうが遙かに親近感を覚える。初対面とはいえ、随分昔からの知り合いのような錯覚が生じる。オフミというのは不思議な体験だなあ、とつくづく思った。
こういう印象を持てたのは、おそらく、初対面の人たちばかりだったからだろう。形式的にはオフミと呼んでいても、毎月のように顔を合わせている間柄だったら、こういう感覚は生まれてこないと思った。そうなってくると、単に生身の付き合いをしている人々が、その情報伝達の手段としてネットを利用しているだけになってくるかもしれない。
 私の同業者にも、EメイルやMLで情報を交換している人々がたくさんいるが、たまに心理学会の年次大会会場でお会いしても、おや久しぶりだ程度の感じしかしない。


 初対面の複数の人たちと顔を合わせるという機会は、今までに2種類ほど体験したことがあるが、いずれも今回のオフミとは全く異なる雰囲気だった。
  • いまから20年ほど前、大学院の頃だったか、某国立N女子大の同分野の人たちと「合ハイ(合同ハイキング)」というのをやったことがある。うちの教室からモテナイ男ばかりが10人ほど、相手方からも10人近くの女性が平城宮跡あたりに集合した。しかし、お互いに、場を盛り上げる能力のない寂しい人たちばかりであった(だいたい寂しくない男女は、こんなところには出てこない)。お互いに魅力を感じる相手が見つからなかったこともあるのだろうが、最初のうちは作り笑いをしながらヘタな冗談などを交わしていたものの、そのうちに話題も尽き、昼食の時にはとうとう、男は男、女は女で固まって弁当を食べたのである。それに懲りて、二度と「合ハイ」なんぞに足を運ぶことはなかった。
  • もうひとつ、団体の海外旅行でも、同じグループの構成員はたいがい初対面である。1週間とか2週間、朝から寝るまで行動を共にするなかで、特別の人間関係ができあがる。特に、山登りツアーの場合などは、外部との交流が極端に制限されるので、団結せざるを得なくなる。ただ、この場合は、全く知らない人同士が、日々の会話を通じて少しずつ相手を知るようになる。あらかじめ日記を通じて、相手方の毎日の私生活を知っている者どうしが初対面で出会うのとは、やはり根本的に違うようだ。

 さて、思い出話はこのぐらいにしておいて、昨日のオフミの印象を忘れないうちに書きとどめておく。
  • オフミ参加者の中で、Web上での印象と実際にお会いした印象がいちばん一致したのは、かやすがさん。逆にいちばん食い違っていたのは、フランケンさんであった。
  • かやすがさんは、岡大にもご縁が深く、しかも私の妻(公称29歳)と殆ど同じ年であり、世代的にもいちばん話題が一致していて話しやすかった。
  • フランケンさんのほうは、もっとガッシリした応援団長タイプ、もしくはスラムダンクに出てくる何たらのような印象をもっていた。じっさいに現れたのは、昔のタレントでいうと、宇野重吉さんを縦に伸ばしたような感じで、やっぱり「いかれた鉄瓶」のほうがよく似合うような外見だった。もっとも、いろいろ話を伺っていると、けっこう、御本人の本来の姿とはちがったキャラ作りに励んでおられるところがあるように見受けられた。このほか、御自分では英語の辞書を持っておられず、わからない単語は、某有名日記作者にメイルで問い合わせているというのがいかにもユニークであった。実は他にも、あっと驚くような極秘情報を教えてもらったのだが、「オフミで知り得たことはオフミの中だけで」という鉄則(←そんなものあるかいな)を遵守して、ここではふれないことにしておく。
  • たしかタレントに越前屋俵太という名前の人がいたと思うが、シロクマさんに対してはもともとそういうイメージをいだいていた。ただ、オフミの1カ月ほど前に、御自分の写真をこっそり見せてくださっていたので、ほぼ予想どおりの雰囲気を感じた。
  • あくまちゃんは、お顔をちらっと拝見しただけで、あっあの人だとすぐに分かった。ただ、初対面の場で緊張しておられたのか、意外に物静かで、言葉遣いも、およそ日記や掲示板書込の文体とはかけ離れた丁寧な口語表現であった。しかし、てっしーさんに写真の削除を求めるところなど、ちゃんと物事を主張できる芯の強そうな側面も見せていた。これなら海外で独り暮らしをしても安全だろうなあ、などと感心した。
  • てんしちゃんは、遅く来られたせいもあったのだろうが、あくまちゃんよりさらに物静かな印象を受けた。いや、単に風邪薬の飲み過ぎで鎮静状態にあっただけなのかもしれない。
  • ゆずさんは、しいて有名人にたとえるならば、民主党の鳩山さんか、山上たつひこの初期のマンガ(確か『新喜劇思想体系』というような書名)の主人公に似ている感じだった。他の人も言っておられたが、日記の雰囲気と「ゆず」というハンドル名から女性的な印象をもってしまっているので、現実のゆずさんとのイメージを融合させるのがなかなか難しかった。
  • てっしーさんは、(外見を評価するのはたいへん失礼ではあるが)眼鏡を外すと、エジプトの大統領(ムバラクさんだったか、昔のナセルさんだったか...)のようなお顔だった。数枚の写真を撮らせてもらったが、残念ながら、みなもの凄くコワイ顔に写っていて公開するとWeb上での御本人のイメージを傷つける恐れがあり割愛させていただいた。しゃべり方はたいへんおだやかで控えめで、「日記猿人界」の生き字引と呼ぶにふさわしい知識にあふれていた。

 初対面どうしのオフミというのは、Web上で形成される御本人のイメージと生身の人間とのギャップという意外性を体験できる貴重なチャンスであろうかと思う。ただ、このことはWeb上のイメージのほうが架空あるいは虚偽のものであるということを必ずしも意味しない。
 夫婦でも親子でも双子であっても、相手のことを完全に理解することはできない。生身の人間に接することも、Web上でその人の考えや感情を読みとるのも、いずれも対人理解のごく一部にすぎず、どちらがより真実に近いかどうかは断定できないのではないかと思う。
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※“..”は原文そのまま。他は長谷川による要約メモ。【 】は長谷川によるコメント。誤記もありうるので、言及される場合は必ず元記事を確認してください。
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