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昨日の日記

5月11日(月)

【思ったこと】
980511(月)[雑学]音階についての疑問(1)1オクターブは何故12音階なのか?
 MADE IN JAPAN! さんが5/10の日記の終わりのところで音階についての疑問のことを書いておられた。じつは私自身も音階の基本についてかねてより疑問に思っていたことがいくつかある。
  1. 1オクターブは何で12音階に分けられているのか(ホリウチさんと同じ疑問)
  2. ピアノはなぜ白7、黒5の鍵で構成されているのか。
  3. なぜ半音を表すのにシャープとフラットの2種類が必要なのか。例えば「ソのシャープ」と「ラのフラット」は同じ音なんだから全部「ソのシャープ」に統一すればよいではないか。
  4. 長調が楽しく、単調が悲しく聞こえるのは生まれつきなのか。それともそう教え込まれたためなのか。
  5. なぜ長調はド、単調はラ(いずれもハ長調、イ短調の場合)で最後にくると音楽が終わった感じになるのか。
  6. 協和音と不協和音は生まれつき区別できるものなのか。
  7. 上記の4.〜6.は、人間以外の動物でも同じように感じられるのだろうか。
といった疑問であった。こういう疑問について、小学校から高校卒業までの教科書や参考書にはそれらしき説明は全く書かれていない。質問好きな私は音楽や物理の先生にも直接質問に行ったことが何度かあったが、「さあ、分かりませんねえ」としか言われなかったように記憶している。

 上記のうち、その後自力で解決できたものもあるが、大部分は疑問のままである。そこで例によって何回かの不定期連載で、現時点で私が理解していることと未だに分からないことをまとめてみたいと思う。ご助力をいただければ幸いである。

 1回目のきょうは、1.の12音階の問題であるが、例によってgooで検索したところ、これでカンペキ!と思われるほど詳細に説明されているサイトを見つけることができた。長崎総合科学大学基礎教育センターのサイトにある音階についてのおしゃべりについてのページである。詳細はそのページを御覧いただくことにするが(←というか私には説明しきれない)、結論的には、周波数比、一定のルールに基づく和音構成などを数学的に配置していくと、、12音階やそこから作られる「ドレミファソラシド」にはほぼ必然性のあることが理解できる。但し厳密に言うと、同じドレミでも、ピタゴラス音階,純正調音階,12分割平均律音階は、理論的には全く異なったルールで作られているということだ。とはいえ、そのページの作者も述べておられるし私自身もそうだが、3通りの音階を聞き分けることは非常に難しい。
私が原文から理解した範囲は次のとおり。
  • 主音に対する周波数比が簡単になるように素数2、3、5までの範囲で可能なベキ数の値をとると15音通りの音階(純正調全音階)ができる(原文では16音となっているがこれは1オクターブ上の同音を含めて16分割されたという意味であろう)。素因数に7を含めればもっと多様な分割が可能であるが、和声的短7度の7/4を除いて現実にはそのような音階は聞かれない。
  • この15音から、整数比が簡単であることを前提に、主要3和音を構成することができて,各和音の3つの音の周波数比がすべて同一になるような音を選び出していくと、「(1) C<E<F, G<A<B<2C, (2) C:E:G=F:A:2C=G:B:2D」という関係を満たす7音が必然的に選ばれる。そのさいD=9/8は1通りであるが、Eについては6/5と5/4の2通りの可能性があり、それぞれについてAとBの値を求めると、結果的に純正調短音階と純正調長音階が得られる。
  • 16分割から12音階が得られる理由については原文から読み取ることができなかった。勝手に推察するに、上記で選ばれた7音のうち、全音分かけ離れたところに半音を挿入すると結果的に12音になるということなのだろうか(何となくトートロジーになっている気もするが)
  • ピタゴラス全音階とは、主音に対する周波数比 h で,任意の整数 x,および -1=<y<10 なる整数 y により h=2x3yと書けるものの全体の集合である。yを0以上としなかったのは現実の調和に合わせたため。“y=0 から出発して次々に周波数比を定めていくと,y=12 になったときに始めて,これまでとは比較にならないぐらい h=1 に近接した周波数比を得る.”ことが12分割の根拠であると言えるように読みとれた。
  • 平均律全音階は、それ自体12分割を要請しない。それゆえ、この原理だけに基づけば18分割や24分割なども可能である。

 ところで、上にもまとめたように、平均律音階の規定だけに基づけば18音階や24音階を作ることもできる。DLするには少々大きめのサイズであるが、元サイトの別のページからそれぞれの音階の実際に聞くことができるので、いちとお試し願いたいと思う。
 特に興味深いのは、18分割平均律音階で試作されたという演歌。これなぞ結構いけるのではないかと思う(3413Kb、しかもwav形式のファイルなので旧型のパソコンをお使いの方は御注意!)。もっとも、日本人が「ra」と「la」を同じ音のように聞いてしまうのと同様、18音階の音楽も自動的に12音階に「翻訳」して聞こえてしまうところがあるようだ。聞こえてくる音楽は決してピアノでは再現できないはずなのだが、どこかで聞いたことのある音楽のように感じてしまう。
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