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昨日の日記

5月12日(火)

【思ったこと】
980512(火)[雑学]音階についての疑問(2)音階の起源について勝手に想像する
 昨日の日記の続き。今日はたまたま日記猿人でもおなじみのShiroさん@(Island Life)から貴重な情報をいただいたので、私の方は、何の根拠もないままに、思いつくままに空想の羽根を羽ばたかせてみることにしたい。

 さて、昨日の日記で、ドレミファの音階やそのもととなる1オクターブの分割に数学的な根拠があることを紹介した。しかし音楽の発生過程から言えば数学の理論が先に存在してそれから音楽が生まれたと考えるのはどう考えてもおかしい。数学が無くても12音階が生まれる何らかの原因があったに違いないと思う。

 あくまで勝手な推量にすぎないのだが、その1つの原因として、音階が楽器の発達とともに出来上がったという可能性があるように思う。原始時代、人が部落を形成して共同で生活をするようになれば、儀式や宴会のときにとうぜん歌や踊りが行われるようになる。そのさいには笛や弦楽器で伴奏するようになるだろう。
 楽器が使われるようになると、そこにいくつかのルールが出来上がってくるはずだ。まず、同じ材料で大量の楽器を作る必要が出てくるだろうから、笛の穴の位置とか弦の長さについて何らかの決まりが出来上がってくるであろう。また、儀式や宴会でいろんな種類の楽器で合奏するためには協和感が得られることが必然になってくる。昔のことだから、笛の穴の位置とか弦の長さなどは単純な整数の比率で規定するしかない。しかも協和感が得られるための比率は、ある程度数学的に決まってくる。となれば昨日の日記で規定されたような数学のルールによって、そこで生成される音がドレミのような音階になったとしてもそう不思議ではない。
 この勝手な推測をさらに押し進めると、もろもろの民族に特有の音階というのは、その民族が生活する地域でどういう楽器が容易に製造できたかということと関わってくるように思われる。竹が採れる地域では笛が作られやすい。毛皮が獲れやすいところでは弦楽器が発達するかもしれない。弦楽器の場合はさらに、それがデジタル的な音を出すかアナログ的に変化させられる楽器となるかで音階に影響を与えていくだろう。

 もっともいま上に述べた意味で音階が定まったとしても、そこから何故独特の音階がセレクトされていったのかは素人の私には分からない。例えば日本の演歌は「ヨナヌキ音階」であると言われるけれど、どうして4と7の音が欠落したのかは、どう考えても、よく使用される楽器に依存して形成さらたものではなさそうだ。

 余談だが、昨日の日記で御紹介した音階についてのおしゃべりのページからは、さらにアラブ音楽理論・入門講座という所へリンクされている。これを拝見すると、“アラブ音楽には、西洋音楽にあるような機能和声が存在”せず、代わりに“たくさんのマカームを使いこなして、多彩な旋律を作”るという。なるほど協和音に縛られなければ多様な旋律が可能になるといことなのだろう。

 昨日、今日と、陸に上がったカッパのように、専門外の分野にクビを突っ込みすぎたところがある。次回は『音楽心理学の研究』(梅本堯夫編著、ナカニシヤ)などを参考にしながら、もう少々心理学的な側面から音階の問題について私なりに理解したことをまとめてみたいと思っている。

 Shiroさん@Island Lifeから以下のような情報をいただいたので、少々長くなるが御紹介させていただく。昨日の日記に掲げた私のいくつかの疑問のうち、シャープとフラットに関する疑問や白鍵と黒鍵に関する疑問はこれでほぼ解決させていただくことができた。深く感謝いたします。
 現在音階と言えば長調と短調ですが、必ずしも最初からそうであったわけではありません。ヨーロッパ中世の教会の聖歌では、数種類の「旋法」が使われていました。ピアノの白鍵だけを使ってスケールを作ることを考えると、出発点の選び方で7通りの音階ができることが分かると思います。それぞれに名前がついていて、それらに基づいた曲が作られました。(そもそも何故その7つの音が選ばれたか、というのは恐らく純正律と関係していると思います)
 純正律が人間の耳に「心地良く」聞こえるのは、音の倍音構成と関係しています。ある音を発生するメカニズムは、その性質上、基本周波数の2倍、3倍、4倍... の音も同時に発生しやすいのです。周波数比2:3 (ドとソ)の音を同時に鳴らすと、ドの第3倍音とソの第2倍音が重なります、これが「綺麗」に聞こえる訳です。(余談ですが、ピアノの調律師が1ヘルツの狂いも無く音を合わせられるのは、この倍音を聞いているからです。わずかでもずれると、うなり(ビート)が発生するためすぐ分かります。さらに余談ですが、ピアノの発生する倍音は厳密に基音の2倍・3倍・...ではないため、調律されたピアノの音階は理論的な平均律とはずれています)
 さて、それらの教会旋法のうち、どういうわけか「ド」を起点とするなんとなく明るい曲調と、「ラ」を起点とするなんとなく暗い曲調がポピュラーになり、長調と短調として西洋音楽の主流として生き残ってきました。
 各地の民族音楽等では当然これに縛られない音階も存在します。多いのはペンタトニック (5音音階) で、「ドレミソラ」とか「ラシドミファ」に近いものです。鍵盤楽器が手元におありでしたらこれらの音階を適当に行ったり来たりしてみると、なんとなく民謡っぽく聞こえることと思います。沖縄民謡では「ドミファソシ」に近いのが使われます。ただ、これらの音階は、ピアノの白鍵の7音で近似できてしまうので、そういう利点もあって現在の音階が広まったのかもしれません。
 次に黒鍵ですが、純正調でも複雑な響きを追求してゆくと、基本の音階にある7音には収まらない音が入って来る、ってなことで、基本音階以外の音も使い始めたのじゃないかな、と、これは想像です。ただ確かなことは、純正調に基づく音階では移調が非常に困難であったこと。これは楽器を作る際に問題となりました。特に、オルガンやチェンバロ、そしてピアノといった鍵盤楽器は、他の楽器と違って一回一回合わせ直すのが大変です。
 そこで、音を12音に整理しつつ誤差を分散させて、どの調に移っても同じように聞こえるものとして平均律が発明されたのがJ.S.バッハの頃だったと思います。バッハの「平均律クラヴィーア曲集」は12の音それぞれを基音にした長調短調の24調からなる曲集で、「ほーら平均律でもこんなに綺麗に曲が作れるんだよー」と示したものです。
 「ソのシャープ」と「ラのフラット」は確かに同じ音ですが、7音の基本音階(白鍵)プラス5音の補助音(黒鍵)を用いて移調しようとすると、「ファのシャープ」「ソのシャープ」「ナチュラルのラ」が連続するケースと、「ナチュラルのソ」「ソのシャープ」「ラのシャープ」が連続するケースが出て来ます。後者ではソにシャープがついたりつかなかったりしてややこしい。そこで、「ナチュラルのソ」「ラのフラット」「シのフラット」と表記したほうが分かりやすいじゃないか、というのが、別々の表記をする理由です。
 ある黒鍵をシャープと解釈するかフラットと解釈するかはその時点での主調が分かれば上記のような理屈によって決めることができます。したがって、西洋音楽のスキーマを崩していない曲であれば、採譜の際にシャープかフラットか迷うことはあまりありません。
 いずれにせよ、現在我々が認識している平均律12音階というのは始めからポンと作られたのではなく、歴史的にいろいろあって形成されてきたものです。そして、それらに基づいて作られた音楽に子供の頃から晒されている我々は中途半端な音階も12音階に直して認識してしまうのではないかと思います。
【ちょっと思ったこと】
  • 今日の「炎のチャレンジャー」で「72時間不眠耐久」というのをやっていた。2名によるサドン・デス決勝のすえ72時間39分で優勝が決まったが、作業に熱中しているならともかく、退屈なビデオを見たりマッサージを受ける中で、ここまで耐えられる人がいるとは思わなかった。もっとも日記界には何時寝ているのか分からない人もいる。72時間不眠掲示板書込レースなんていうのをやったら面白いかも。本人が書き込んでいることをどう確認するかという問題は残るが...。
【新しく知ったこと】
  • 午前中は非常勤講師で学外へ。運転中ふと気づいたが、岡山市内のガソリンスタンドが口裏を合わせたように軒並み価格表示を抹消していた。少なくとも先週までは「78円」という表示で競争していたところだったのに。もしや一斉値上げかと、帰りがけに行きつけのガソリンスタンドの兄さんに問いただしてみるがヘっへっ笑っているだけで理由は明かしてくれなかった。しかし、ガソリンを入れた結果は77円。ということは、まだまだ値下げ競争が続くのだろうか。もっとも値段を伏せたままの値下げ競争となると、いつかは急速な値上げに転じる恐れがある。明日以降の価格表示の有無に注目したい。
     ちなみに、先日の四国キャンプの時に国道沿いの価格をチェックしたところ、高知は90円程度、愛媛は、松山市内に入る前は80円台だったが中心部では78円の所が目についた。
  • 4月21日の日記でNHKの夕方6時台の地方別ワイド番組に関して“福岡はあんまりカッコよくないが「めんたいワイド」と言うらしい”と書いたところ、winwinさんから、次のような情報をいただいた。
    『めんたいワイド』はFBSの番組です。
    NHKの番組名は『おっしょい!福岡』です。
    ま、あまり変わりませんが…。
    (わが佐賀県は『600情報どっかん!』です)
    どうもありがとうございました。
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