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昨日の日記



昨日の日記

7月8日(水)

【思ったこと】
980708(水)[日記]Web日記について某新聞社から取材を受けたが...
 某新聞社から、
日記書きとしての視点から、そして専門家としての視点から、ぜひ先生のお話をと思ってメールを差し上げた次第です。
というメイルをいただいた。ふむふむ、私の日記もとうとう新聞社から認知されるようになったかと思ってみたが、いただいた質問は11項目にものぼり、真剣に答えていたら数時間はかかってしまいそうな内容である。せっかくメイルをいただいたのに日記ネタにしてしまって失礼だが、この記者の方はどうやら「日記書きの心」をご存じ無いようだ。ホンモノの日記書き(私がホンモノかどうかは分からないが)だったら、質問に答える暇があったら日記執筆のほうの時間を優先させて、2倍、3倍の長さの日記を書くものだ。
 だいいち、取材に答えたってその新聞の記事の一部にしかならないじゃないか。自分の発言だからといって、新聞に掲載されたものをヘタに転載したら著作権侵害で訴えられてしまうかもしれない。
 日記書きは、日記についての考えも日記上で表明するものだ、新聞なんかに自分の本名が載ったってちっとも嬉しくないぞ。
そもそも新聞社の取材なんて当てにならないものだ。私のところにもたまに電話取材があるけれど、記者さんの書きたいことは最初から決まっていて、それについて同意を求めてくるだけの印象が強い。今度の取材だって、おそらくこうなるに決まっている。
 もし、記者が「日記書きには寂しい人たちが多い」と思っていたとすると、
  • (記者A):日記書きには寂しい人が多いですよねえ。
  • (私):いや、寂しくない人だって書いていると思いますよ。
  • (記者A):でも寂しい人もいますよね。
  • (私):そういや、○○とか△△なんていう日記書きは寂しそうだなあ。
  • (記者A):そうですか。いやどうも。
で、翌日の新聞には「○○大学ぢょきょうじゅで心理学がご専門の長谷川先生によれば、日記書きには寂しい人が多い」などと書かれる。

 ところがもし、「日記書きにはバカが多い」と思っている記者が取材をすれば、こうなる。
  • (記者B):日記書きにはバカが多いですよねえ。
  • (私):いやそんなことは無いでしょう。コンピュータの専門家とか、取締役社長とか、自称天才なんかも居ますよ。
  • (記者B):でもバカもいますよねえ。
  • (私):うーむ。「バカ」という言葉は差別用語だから私は好まないけれど、まあ、そう呼ばれている人たちがゼッタイに居ないとは言い切れませんねえ。「ここは、バカ日記の集いの場じゃないわよ〜!」とボヤいている掲示板開設者もいるようですが、ホントかどうかはその掲示板にアクセスしてみてください。
  • (記者B):そうですか。いやどうも。
で、翌日の新聞には「○○大学ぢょきょうじゅで心理学がご専門の長谷川先生によれば、日記書きにはバカが多い」などと書かれるのだ。
 先日のCNNによる「サリン誤報」問題でも露呈したが、記者の中には自分の思い込みに一致する部分しか聞き取ろうとしない人がいるらしい。だから何と答えようが、記者自身の考えに賛同した部分だけが記事になる恐れが強い。


 でそれはそれとして、質問の内容を拝見するが、これもどうもいただけない。まあ、質問内容にもそれなりの著作権があるかもしれないので無断転載は避け、概要だけを御紹介すると、「Web日記とは何か」、「なぜ書くのか」、「なぜ読むのか」、「書き続ける動機はどこにあるのか」などなど....。こういう話題だったら、昨年来私は何度も自分の日記に書いている。つまりそういう質問をしてくるということは、日記を読まずに、ただ聞きに来ただけということになる。

 昨年の8/30ころだったが、某心理学者グループが日記作者宛に「Web日記アンケート」を送ってきたことがあった。グループの中には高校の後輩も含まれていたのであんまり悪口を言うつもりはないが、新聞の取材であっても心理学の研究であっても、「Web日記」のことを調べるなら、まずは日記をたくさん読めと言いたくなる。自分で書けとまでは言わないから...。
 6/24付けのテクニカルライターさんの日記(ワールドカップ関係)で、フランスで日本戦のチケットをダフ屋が幾らで売っているのかについての話が書かれてあったけれど、あの時も、新聞の報道はかなりいいかげんで、数十万円の値が付けられていたようなことが伝えられていた。新聞記事の中にも、単なる風評や間接的情報によるいい加減なものがあるようだ。みぽさんを見習って、もっと足で稼ぐ取材をしてほしいものだ。

 さて、今回いただいたメイルの終わりのほうには、あれえっ?と思わせることが書かれてあった。
  • 日記をいつ頃から書いていますか。書き始めたきっかけも教えて下さい。
  • 最後に、お住まい(市町村区まで)とお名前、職業、年齢を教えて下さい。
 あれえ? もしかして、名前や職業を知らずに質問しているのですか??? 確かに私の日記本文には名前、住所、職業、年齢は明記されていないが、日記猿人登録リストにはちゃんと本名が明記されている(←Web日記のことを取材するのに「日記猿人」も知らないのか?)。執筆の経緯や住所・職業だったら、日記本文からTopを経てプロフィールのページに簡単に飛べば必要な情報は書いてあるはずだ。年齢のことはどこにも書いてないけれど、5/16の日記を参考にして私の公用ホームページに飛べば、ちゃんと生年月や出身幼稚園まで書かれてある。
 記者さんに意地悪をするつもりはないのだが、「Web日記なんて」という軽い気持ちから省エネ取材などせず、まずは時間をかけてじっくりといろんな日記を読んでほしいものである。足で稼ぐ必要はない。アクセスで稼げ!

 ということで長めの日記を書いたので、取材メイルにお答えする時間が無くなってしまった。記者さん、ごめんなさい。がはははh。
【ちょっと思ったこと】
【新しく知ったこと】
  • NHK教育テレビで栗鼠蔵さんの日記が紹介されたらしいが、残念ながらまだ見ていない。
【リンク情報】
【生活記録】
  • 7/8のイリジウム衛星:いくつか予報されていたがいちばん明るい22:00:06通過の73号を眺めた。-5等級の予報に偽り無し。薄雲の中でピカーッと光った。高度は13、方位は255ー (W )。
【家族の出来事】
【スクラップブック(翌日朝まで、“ ”部分は原文そのまま。他は長谷川による要約。【 】部分は簡単なコメント。)】