【思ったこと】
980809(日)[生活]大手の塾をやめた息子 息子が先月いっぱいで、某棋士がCMに登場する、あの有名な某大手塾をやめた。 この塾にはちょうど岡山に引っ越してきた直後から通い始め、7年4カ月も通ったことになる。それをなぜやめることになったかと言えば、入学した中学の宿題がとにかくたっぷりとあって、それにプラスしてドリルをこなす時間が到底無いこと、それと、補習とか野球部の練習などのために夏休み中に教室に通えなくなったことも大きな理由になっている。 この塾については、時たま週刊誌などで批判されことがあるが、私個人としては、次の2点において、プラスの面があったと総括している。
もっとも、この塾に通わせれば受験勉強は不要だとか、もっと先に役立つ能力が伸ばせると考えるのは性急すぎる。もともとこの塾で扱っている国語や数学の範囲は受験勉強の範囲を網羅しているわけではない。例えば、幾何の証明問題を解く力を伸ばすとか、英会話の発音指導をすることは無い。ただ、ドリルは、それぞれの科目の基礎的な部分の一部について絶対的な自信をつけさせることにつながる。それぞれの科目で1つでも自信を持てる部分があれば、それを土台に、ドリルでは扱わない分野についてもよりゆとりをもって取り組むことができる。 ま、簡単に言えば、体育で跳び箱とか鉄棒といった特定種目を得意にさせる訓練のようなものだろう。跳び箱や鉄棒が苦手な子供は体育の授業そのものが嫌いになってしまう。その結果、ほんらい練習すれば好きになれるはずの球技や水泳までも嫌がるようになる。得意種目があれば、少なくともその時間だけは体育が楽しい。また、跳び箱や鉄棒を練習しておけば基礎的な脚力や腕力も強くなるので、将来新たに覚える種目も得意種目になりやすくなる。要するに、特定部分に自信をもたせることで、能動的・自主的な勉強へのとりくみを促進させるという効果を生みだしているように思われる。 こういうドリルをどんどん先までやることが知能や創造性を伸ばすことにつながるかどうかは何とも言えない。というより、そもそも、あらゆる分野で発揮できるような「知能」や「創造性」が果たして存在するかどうかさえ疑わしいのだから、そういう議論をすること自体が無意味であるかもしれない。 もとに戻って、息子の場合、7年間通わせたことがどういう成果をもたらしたのかは、直ちには検証できない。こっそりと息子の一学期の成績を見たところでは、英数国3科目は平均で9*点余り、157人中*位と、エライ良い成績となっていた。少なくとも、与えられた課題を規則的にきっちりこなすという習慣がプラスに働いたことは確かなようである。 それでは、手放しでこの塾をお勧めできるかと言えば、これも何とも言えない。同じ塾には娘も通わせてみたことがあるが、こちらはなかなかのガンコもので、いったんイヤだと言い張るといくらおだててもやろうとしない。九九は嫌いだとか2桁の計算はイヤだとかいろいろ文句をつけて、解ける問題でも手をつけようとしない。けっきょく1年たらずでやめてしまった。こっそりと一学期の通知表をのぞくと、図工や体育などは「◎」だが、国語・算数はいずれも「○」となっていて、嫌いなことはゼッタイしないところがそのまま反映していた。もっとも最近は英語教室に面白がって通っているようなので、好きなことを伸ばしていけば何とかなりそうな気もしている。こういう娘のようなタイプにはあまりお勧めできないように思う。 それから、この塾の場合、「○○教室」という同じ看板をかかげていても、教え方の丁寧な先生もいれば営利優先の先生も居るらしい。また人気のある先生と言っても、複数の教室をかけもちで教えていてあまりにも生徒数が多いと、個別指導までは手が回らなくなってくる場合もあるようだ。このあたり、もし申し込まれる場合は、近所の人の意見も参考にして人物本位で教室を選ぶ必要があるようだ。 余談だが、息子があえて7月まで続けたのは、ポイントをためて何かの賞品をゲットするためだったところがあったようだ。勉強の本質から外れるとはいえ、ある段階ではこういうポイント制も励みになるものである。ところが、7月の下旬に塾をやめることを伝えた時には、その賞品の在庫が無いという理由で貰うことができなかった。ならば8月に貰えるのかというと、原則的には在籍していないと貰えないしくみになっているのだという。契約上はそういうものかもしれないが、7年4カ月も続けていて最後に先方の都合だけで賞品が貰えなくなったというのは、教育的にあまり良い終わり方ではなかったという。いちおう、原則はダメだが入荷したら電話すると言ってくれているので、もう少し様子をみたいと思っている。 |
【ちょっと思ったこと】
|
【新しく知ったこと】 |
【リンク情報】 |
【生活記録】
|
【家族の出来事】
|
【スクラップブック(翌日朝まで、“ ”部分は原文そのまま。他は長谷川による要約。【 】部分は簡単なコメント。)】
|