じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Y.Hasegawa

12月24日(木)

【思ったこと】
981224(木)[因得]ネット上で批判をすることについて(1)
 少し前から、いくつかの日記で、ネット上で別の人のHPを批評したり批判したりすることについて、いろいろな意見が主張されるようになってきた。

 このことについて、以前、血液型性格判断絡みで一度意見を述べたことがある(こちら参照)が、これを機会に、リンク問題、匿名問題、「名指しなどにより対象を明確にして批判すべきか対象をぼかして批判すべきか」という問題、あるいは、「いったん批判を行っておきながら反論を受けたり都合が悪くなるとこっそりその箇所を削除して知らん顔をする」ような行為について、私なりに意見をまとめておきたいと思う。
  1. 批判をすることの意義について

     ネット上での発言に限らず、新聞やTV、雑誌などを通じて不特定多数に向けて発信された内容について、他者が批判を行うことは大変結構なことだと思う。発信された内容に不正確な点や、読者を誤った方向に誘導するような内容があれば、批評や批判によって訂正される。また議論の中から発展性のある結論が導かれることもあるだろう。

     もっとも、あらゆるコンテンツが批判の対象になりうるかどうかは不明。たとえば一個人の私生活を記したWeb日記の内容について、「おまえはグズだ」「亭主関白はやめろ」「もっとしっかり家事をやれ」などと批判することにどれだけ意義があるかは分からない。ま、別段規制を加えなくても、意義の無い批判は誰からも相手にされず自然に消え去っていくであろうし、逆にしぶとく残っているものがあれば、別の何らかの有用な情報が提供されているとも考えられる。

  2. 無断リンク・無断引用について

     不特定多数に向けて発信された情報は、発信された瞬間から常に批判にさらされる宿命にある。批判を行うことは読者側の当然の権利であり、発信者は、いかなる意味においてもそれを拒否することはできないと私は考える。批判対象を明確にするために、対象となるサイトをリンクすること、また必要に応じてその内容を引用することは、批判対象を明確にするために不可欠の要素であるから、リンクや引用を拒否する権限は執筆者側には無い。仮に「リンクお断り」とか「引用お断り」と明記してあっても、それを破ってリンクや引用することになんら問題はないと思う(もちろん、引用は批判を行うために必要最低限の範囲にとどめるべきであるが、これについては過去にも論じたことがあるので今回はふれないことにする。)

     そのことをふまえた上で、事前にリンクの了承を求めるかとか、引用したことを相手に伝えるべきかは、ケースバイケースで対応していくしかない。有名日記作者の「裏日記」を本人の承諾無しにリンクして「表日記」と関連づけて批判することは(←あくまで仮定の話、念のため)、違法では無くてもデリカシーに欠ける行為になるかもしれない。いっぽう、反社会的な宗教団体が不特定多数を煽るようなコンテンツを提供していた場合(←これもあくまで仮定の話、念のため)には、読者がマインドコントロールされないように適切に批判を加えていく必要があるだろう。批判対象となるコンテンツに「リンク禁止」とか「引用禁止」があったとしても、それに拘束される必要は無いと思う。
 さて、今回の連載では、ネット上で批判をするにあたってのエチケットの問題を考えてみたいと思うが、その前に、「批判する」ことと、「評価する」ことや「感想を述べること」、「相手の意見と対比させながら自分の意見を述べる」こととは異なる点を指摘しておかなければならない。ひとくちで言えば、「批判した相手からの反論を受ける義務を負う内容であるかどうか」が重要な決め手になると考えているのだが、時間がないので次回に詳しく述べることにしたい。