1997年3月17日夕刻と18日早朝のHB彗星



3月17日(月):1850-1950。妻と一緒に、早朝と同じリサーチパーク芳賀地区の空き地に見に行く。息子は公文、娘は、以前に早朝に無理やり起こしたのがたたって、“アタシは家で宿題をしている”などと心にもないことを言いながらスネて、同行せず。
3月11日の夕刻に初めて見た時よりだいぶ高度が上がっていて、尾もはっきり見えた。早朝と違って(ダストテイルは)水平右方向に伸びているので、スピード感と迫力があった。帰りがけに、同じ場所で望遠鏡を広げている人がいた。こうなると、早く帰る者は車のライトにも配慮しなければ。
19:50頃、アパートに戻ってから、1つ上の5階の階段まで上ってみると、なんと隣のアパートの屋根越し、カシオペアの真下に見えているではないか。もっとも、ここで双眼鏡を使ったら、完全に覗きになってしまう。しかしこれなら岡大の文学部の建物からでも十分見える高さ。明日以降、晴の夕空が楽しみだ。
[Image]17日19時11分。リサーチパーク芳賀地区にて50mm。30秒

3月18日(火):400-540。 睡眠不足が続いているので、今朝は500頃まで寝ている予定であったが、夜中に目が覚めて外を見ると最高の晴天、心がうきうきしてきてもはや眠れず、今までで一番早く外に出た。アパートの外に出るなり、あっと驚くほどの長い尾。
今日こそは寝ていると言っていた妻も結局同行することになり、いつものリサーチパークへ。白鳥から射手座にかけて天の川がくっきりと見える。彗星の尾の長さは、カシオペアの一辺に匹敵するほどで、200mmの望遠レンズではファインダーに入りきらず、カメラを縦置きにして撮影した。
このあと、大学に行って、時計台撮影シリーズの仕上げをする。しかし、日の出前の高度が低いため、構内の照明の影響が強く、難しい。 [Image] [Image]
(写真左)18日4時40分。リサーチパーク芳賀地区にて50mm。30秒。ISO800フィルム使用。先月に天体写真を始めたばかりの私としては、これまでの最高傑作と言ってよいだろう。
(写真右)18日4時44分。50mm。30秒。ISO400フィルムで、ほぼ同じ範囲を撮影したもの。ISO800と400のどちらがよいのかは、一概に言えないと思うが、私のような素人的写真を撮る範囲においては、400でも十分であって、フィルムよりも気象条件や月明かりのほうが重要であると言ってよいと思う。それにしても、フィルムの進歩は素晴らしいものだ。私が中学の頃、天文のクラブに属していた頃には、白黒のネオパンSSとかSSSというのがあるだけで、同じカメラを使っても、こういう写真は全く撮れなかった。今後、さらに高解像度・高感度のデジタル型カメラが開発され、手軽に使えるようになれば、さらに楽しみが増える。

4時40分撮影のプリント写真をさらに拡大した画像はこちら


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この方向からの彗星の高度は、ますます下がっていく。これをもって、時計台写真の決定版にしたい。

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時計台東隣に建設中の新福利厚生施設。

上掲の写真撮影後、文学部の2階の心理学の計算室を覗いたら、こんな時間なのに、芝崎良典(ホームページで有名)が居た。さっそく連れ出して、明け方の空を仰ぐが、あまり感激した様子ではなかった(たぶん、彼のホームページに、この時の感想が何か書かれることだろう)。
今朝は、息子も5:00に起きて自発的に彗星を眺めたと言っていた。そこで感想を聞いたところ、“そんなあ、すぐに言われても...。”と前置きしてから、“尾が見えた。すごいと思った”。他に感想はあるかと聞くと、“別に...。” 5年生のクラスの文集の“将来の夢”のところには、“バスの運転手”と書いてあったので、“これで、天文学者になりたくなったか?”と聞いたが、そういう変化もなかったようだ(私は、ケセラセラでいいと思っている)。

おなじみ、ロスのNさんからの報告です(現地時間18日9時頃発)。
こんにちわ!です。
ここ2,3日霞んでいてH-B見えませんでした。日本語でなんていうのか な。。。花曇り?かな。寂しかったです。
昨日は,朝からいいお天気だったから期待してました。見えたんです,夜の H-B が。
うれしかった。最初の夜の H-B でした。
あんまり低い所に出ていたので,驚きました。それに夜のと違い,小さくて,弱々しくてけなげでした。
そこからは,もう見えましたか?

夜の H-B は,尾も随分長くなりましたねえ。おおきく なりましたね。まだ尾も伸びるのでしょうか?
核の近くって,歪んでいるのですね。イオン層も はっきり見えました。
私の,望遠鏡は20mmですが,よく見えました。
素晴しい,この感激,本当にみんなに分けてあげたいです。
うちのお父さんなんか,ぜんぜん興味なくて,”なんだ,それ”とか,
”そんなん,きてるの ”なんて,言ってます。いつも私と,弟で眺めています。 


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