1997年3月27日宵空と28日早朝のHB彗星



3月27日(水):1930-2030。
午後から雲が晴れて快晴となり、月明かりもなく、夕空としては、これまでで最高のコンディションとなった。暗くならないうちから、ウキウキして、仕事もはかどった。
東京の祖父(私の父)の所に一人旅に行った息子を除き、家族3人でリサーチパーク芳賀区へ。空の状態は、早朝に比べればいまいちで4等星ぐらいまでしか見えなかった。この場所は、早朝なら天の川まで見られるのだが、夕刻だと、南東から南西にかけての空が、満月が東に現れた時のように明るい。これは、紛れもなく岡山市内の街明かりだ。こうなると、宵空の見物には別の場所を探す必要も出てきた。とはいえ、自宅のアパートから20分以内で行かれるメリットは、捨てがたい。
空の条件は最高とは言えなかったが、彗星の尾は驚くほどの長さで、カシオペアのWの端と端を結ぶ長さに匹敵するほどであった。望遠鏡で見ても、視野全体が真っ白になるほどの明るさであった。
アンドロメダ大銀河との接近風景を楽しみにしていたのだが、アンドロメダのほうは双眼鏡でかろうじてモヤモヤが見える程度で、大彗星のすさまじいほどのダストテイルとは、月とスッポンと呼べるほどの格差があった。
アパートに戻ってから2050頃に外を見ると、半田山の上に、まだその姿があった。 [Image]
1936。50mm、28秒露出。岡山市リサーチパーク芳賀区にて。
アンドロメダ大銀河との接近に期待していたが、固定撮影かつ素人写真の限界で、大銀河のほうは、枠内にかろうじて見える程度の貧弱な姿になってしまった。

[Image]
1951。35mm、28秒露出。岡山市リサーチパーク芳賀区にて。
35mmレンズで撮影したが、それほどのメリットは感じられなかった。空港が近いので、飛行機の軌跡が2本写っている。

3月28日(金):505-515。
日曜日から5日間ほど九州の妻の実家に帰省するので、明け方に彗星を見られるのは最後になるかもしれないと考え、500にアラームをセットしておいた。
昨晩見た、すさまじいダストテイルを吹き出している勇姿とは違って、この彗星見物を始めた2月12日と同じ暗いの明るさの弱々しい姿で光っていた。
高度は、かなり低くなり、今までは、あることさえ気づかなかった道路沿いの自販機の明かりが気になりだした。 [Image]
509。50mm、25秒露出。岡山市津島桑の木町。自宅アパートの敷地内から。
決してよい条件ではないが、これが早朝最後の姿だと思って眺めたので、感慨ひとしおであった(結果的に、このあと早朝の姿は見られなかった)。



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