冬のソナタ第二部のシナリオを考える2006年2月2日バージョン Copyright(C)長谷川芳典 |
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「冬ソナ病」から立ち直り、私自身の心の落ち着きを取り戻すために、 ラストシーン以後のユジンやチュンサンの生活を描いてみました。
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(1)第20話ラストシーンののち ユジンとチュンサンはめでたく結婚式を挙げる。これを祝福するサンヒョクとミヒャン(←私が勝手に登場させた女性)、キム次長とイ・ジョンア、高校時代の仲間たち。その後、ポラリスはチュンサンが理事を務める建築設計会社マルシアンと合併。また、キム次長とチョンアも結婚する。 (2) 結婚後まもなく、チュンサンが理事を務めるマルシアンが、日本の札幌に支社を開設することになった。完全に視力を失ったチュンサンは、形の上でここの支社長となる。実質的な運営はキム次長が取り仕切る。ユジンもマルシアンに移籍し、建築士の資格をもったデザイナーとして活躍する。 |
(3) ユジンとチュンサンは札幌郊外の一軒家に暮らす。休日のたびにユジンは、視力を失ったチュンサンと一緒に、道南地方の観光名所(小樽、ニセコ、函館、大沼公園、登別、支笏湖、洞爺湖などなど)を訪れる。やがて秋から冬となり、2人は高校時代に雪の中ので遊んだことや、スキー場の改装工事に携わった時のことを思い出す。 (4) いっぽう、平日のユジンは、建築デザイナーとして次々に輝かしい成果を上げる。ユジンの設計したいろいろな建物は次々と著名なデザイン賞を受賞し、日本国内でも屈指のデザイナーとして知られるようになった。しかし、名声が上がれば上がるほど忙しさに追われるようになり、チュンサンと一緒に過ごす時間は少なくなっていった。 |
(5) そんなある日、ユジンは、新しい仕事をやり遂げるために、チュンサンが楽しみにしていた道東方面への旅行をキャンセルせざるをえなくなった。チュンサンは、ユジンにとって自分がお荷物になっているのではないかと自信を失い、ふさぎ込む。 (6) そしてとうとうチュンサンは、ユジンの留守中にこっそり家を出る。家に戻ったユジンはチュンサンが家を出たことに気づき、その時抱えていたすべての仕事をキャンセルしてチュンサンの行方を捜す。チュンサンは数日後、ユジンとの(北海道移転後の)思い出の場所で無事に発見される。 |
(7) チュンサンは何とか家に戻ってきたが、視覚障害のハンディを克服できず、いっこうに自信を取り戻せない、そんなチュンサンを見ていたユジンは、ある時、一緒にショパンの演奏会に行こうと言い出す。もともとピアノが得意だったチュンサンはそれを喜ぶ。 (8) 2人が聴いたショパンの演奏はとても素晴らしいものだった。演奏会が終わったところで、ユジンはチュンサンをそのピアニストに引き合わせる。そこでチュ ンサンは初めてそのピアニストが全盲であったことを知り驚く(※)。 [※ この話は、実話をモデルにしています。] |
(9) 全盲のピアニストとの交流を通して自信を取り戻したチュンサンは次第に元の建築の仕事にも力を注ぐようになった。チュンサンはまた、一人でピアノの練習を始めるようになった。視力を失った状態でピアノを弾くことはたいへん難しいことであったが、母親譲りの才能に加え、かつてかなりのレベルまでピアノを習っていた経験が活かされ、その腕はメキメキに上達していった。 |
(10) こうしてユジンとチュンサンの生活が再び活気を取り戻したある日、ユジンのもとに、ピアノコンサートホール建築の依頼が入った。ユジンは、ここで初めて、チュンサンと協力してこのホールを作ろうと言い出す。日本に駐在して2年目の冬を迎えた時、このホールは完成した。 |
(11) クリスマスイブの晩、このホールで竣工記念のピアノ演奏が行われた。なんと、招かれたピアニストは、カン・ミヒであった。演奏会には、ユジンの母親やサンヒョクの両親、サンヒョクを初めとする高校時代からの仲間たち、サンヒョクとすでに結婚したミヒャン(←私が勝手に登場させた女性)も招かれた。 |
(12) カン・ミヒのピアノ演奏は聴衆を魅了し、大成功のもとに終了した。聴衆が帰ろうとしたところで、突然、サンヒョクがステージに立ち、マイクを取る。 サンヒョク:これで本日の演奏会は終了しましたが、ここで、このホールの設計を担当したユジンさんに感謝の気持ちを込めて、もう一曲だけ、特別の演奏を企画しました。どうかユジンさん、このプレゼントを受けてください。 ユジンは喜んでこの申し出を受けた。するとサンヒョクは言う。 サンヒョク:でもユジン、演奏が終わるまでは目を開けないでね。チュンサンと同じ気持ちで聴いてもらいたいから...。 |
(13) こうしてユジンのための特別のピアノ演奏が始まった。それは連弾であった。目をつぶって聴き入るユジンの脳裏には、高校時代からの思い出のシーンが走馬燈のように流れていった。 |
(14) ピアノの演奏は、「はじめて」という曲であった。素晴らしい音色が、ホールに残った聴衆を魅了した。そうして、演奏は終わり、ユジンは目を開く。そこに立っていたのは、カン・ミヒとチュンサン、母と子であった。じつは2人は、数ヶ月も前から、ユジンを喜ばせようと、連弾の練習を重ねていたのであった。 |