じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
【思ったこと】 _60131(火)[心理]私はなぜ冬ソナにハマったのか(3)冬ソナと大河ドラマと寅さん 冬ソナにハマってしまった原因の1つは、登場人物や撮影の舞台が現実そっくり、つまり、本当にそこで起こったことであるかのように錯覚したことにあるのではないかと思う。 私のように普段ドラマを観ない人間、まして、韓国のドラマや映画は初めてという者にとっては、ユジンもチュンサンもサンヒョクも、俳優のチェ・ジウ、ペ・ヨンジュン、パク・ヨンハさんと完全に一体化しており、「演じている」というより「ホンモノがそこに居る」というように印象づけられた。これらの俳優が登場する別のドラマや映画を先に観ていたら、もう少し冷めた目で「冬ソナ」に接していたのではないかと思う。 もっとも、私が最初に観た「冬ソナ」はNHKの吹き替え版(カット版)であり、ユジンは田中美里の声で日本語を喋っていた。ある時、DVDプレーヤーがたまたま副音声に設定したままになっていたのに気づかずに再生したところ、ユジンがいきなり韓国語を喋り出して驚いたことがあった。本当のユジン(チェ・ジウさん)は韓国語を喋るのが当然であるはずなのに、私には、ユジンが外国語を喋り出したのではないかと思えるほどの違和感があった。 しかし、全話を見終えたあと、NHK版の「撮影の舞台裏」シーンや、NGシーン、さらにバーゲン!「冬のソナタ」ノーカット完全盤DVDBOX 全話7枚組 韓国盤 (10019) 期間限定セール特価! 4,999円を購入して、カットされていた部分などをチェックしているうちに、やはりあれはドラマであって演じられたものなのだということが実感できるようになった。 とはいえ、そのことで「冬ソナ=作り物」という形には解消しなかった。むしろ「冬ソナ」はやはり地球上で本当に起こったことであり、ドラマはそれを忠実に再現したものであるという形に昇華していった。 ドラマと言えば、日本では毎年、NHKの大河ドラマが放送されているが、私はイマイチ馴染めないところがある。歴史ドラマというのは、もちろんいろいろな創作が含まれているとしても、歴史的事実に反するような意外な展開は起こりえない。また、撮影の舞台はすべて作られたモノ、つまり、スタジオ内のセットか、国内のどこかの山野を当時に見立てたものであるという納得した上でドラマを鑑賞する。それはそれでいいじゃないかという考えもあるだろうが、私個人としてはどうしても、「自分とは別の世界の架空の出来事」という印象をぬぐい去ることができない。 ちなみに私自身は、 ●ドラマの面白さは、いくつかの伏線から先の展開を予想し、その期待に応える結末があること、また時には意外な展開に驚くこと にあると思っているのだが、妻は、先の展開がある程度分かっているほうが安心して観られるという。また、妻によれば ・・・・・結果がわかっているか?、いないか? そんなことより 起こった出来事にどう対処していくか? が おもしろいし 楽しい。 結果は <人間は みな、死ぬ。>と判っている。だそうだ。なるほど、そういう見方もあったのか。 とにかく私の場合、ドラマを現実から切り離すのが難しかったというのが「冬ソナ」の第一印象であったわけだが、この点で、かなり似ていると思うのが、寅さんの出てくる「男はつらいよ」である。 寅さんを演じた渥美清さんと、さくらを演じた倍賞千恵子さんが共に出演する別の映画としては「幸福の黄色いハンカチ」を観たことがあるけれど、そのことで、寅さんやさくらが俳優によって「演じられていた」という印象は受けなかった。今でも柴又界隈を歩くと寅さんがひょっこり姿を現すのではないかと思うから不思議である。 |