じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 台風24号が日本に接近しており、10月9日には岡山でも影響を受ける恐れが出てきた。ちなみに、今回の進路は、アメリカ・ハワイの米軍合同台風警報センター(JTWC)が、8月5日の朝(日本時間)から、かなり正確に予想していた。米軍は、かなり先まで大胆に予想しており、毎日大幅に変動することもあるが、今回は、南北に多少の変動はあったものの、東シナ海から対馬、隠岐、日本海南部を通過するというコースでほぼ一貫していた。気象庁のほうは防災対策上の影響を考慮しているのかかなり慎重であり、30時間程度まで先しか予想しない。但し、最近では120時間予報も行われているとか。詳しくは、デジタル台風の関連記事参照。


2013年10月07日(月)

【思ったこと】
131007(月)高齢者における選択のパラドックス〜「選択の技術」は高齢者にも通用するか?(28)選択と比較(3)他人との比較

 昨日の続き。

 シュワルツの本の第九章の後半では、他人との比較がもたらす弊害が詳細に語られている。質問紙調査の回答が良い例であるが、そもそも我々は、他者との比較なしには自分自身を評価できないことが多い。以下にいくつか例を挙げると、
  1. あなたは背が高いですか?
  2. 自分は長生きだと思いますか?
  3. あなたは家は広いですか?
これらは、通常、自分の周りの人との比較によって判断される。例えば身長180cmの男性は日本では長身だが、ディナル・アルプス地域の17歳男性の平均身長は185.6cmだというから、むしろ低いと回答される。長生きかどうかも、その国の平均寿命によって回答が異なる。家の広さも、その国の人口密度や地価に大きく左右される。

 シュワルツは続いて、他人との比較が、反事実思考と異なる点を説いている。反事実思考をするかどうかは、相当程度、自分でコントロールできる。しかし、他者との比較は自分が望まなくても勝手に行われ、耳に入ってきたりする。さらには、地位のように誰の目にも明らかな比較がなされることがある。

 では、高齢者ではどうか。要支援、要介護のお年寄りの場合、まずは自身の健康や生活環境が大切となるので、他者に慮ることはあっても、比較に振り回されるようなことは無くなっていくかもしれない。百寿者ともなると、もはや「比較」から「超越」の境地に達しているかもしれない。

次回に続く。