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バルコニーに置いた空き鉢の内側に卵が産み付けられていた。このような場所で棲息できる動物はヤモリぐらいしか思い当たらない。念のためネットで検索したが、やはりヤモリの可能性が高いようだ。大部分はすでに殻が破れており孵化したものと思われる。網戸にやってくる昆虫を食べてくれるので私としては歓迎。 |
【小さな話題】TIME 果てしなき時間の旅(3)時間の過大評価・過小評価に関する実験研究の留意点 昨日に続いて4月4日にNHK-BSで放送された表記の番組についてのメモと感想。本日は放送内容からは外れるが、時間の過大評価・過小評価に関する実験研究について考えを述べることにしたい。 さて、昨日の日記の終わりのところで、一部の時間知覚の実験には不備があるように思うと述べた。これは例えば以下のような実験のことである。 ●条件Aのもとで実験参加者に「1分経ったと思ったらボタンを押してください」と教示する。スタートからボタンを押すまでの平均時間は50秒であった。よって条件Aは実際より時間を速く感じさせる効果【50秒しか経っていないのにもう1分が過ぎてしまったと感じさせる効果】があった。 この解釈は、「特段の環境操作が行われない状態(=平時の状態)のもとでは実験参加者は1分間という時間を正確に判断できる」ということを暗黙の前提にしている。しかし日頃から「1分間」を正確に測る技術を身につけている人(職人や技師など)を除けば、一般人にとっての1分間というのは抽象概念の1つに過ぎない。 例えば「1分間」の代わりに ●「この紐を1フィートだと思う長さに切り取ってください。 という実験をしたとする。ヤード ポンド法に馴染んでいる人は別として、メートル法で寸法を測っている日本人は不正確な判断しかできない。この場合、日本人の参加者の多くが長めに判断したとしても短めに判断したとしても、あるいはバラツキが大きかったとしても、そうした結果は、単に「1フィート」という不慣れな概念に対する反応であって、長さについての錯覚とは言えない。また日本人100人の結果の平均値が1フィートに近づくという保証も全くない。 もちろん「1分間」は「1フィート」に比べれば馴染み深い概念ではあるが、それはあくまで時計の秒針(あるいはデジタルな秒表示)を使って1分間を計れるというだけのこと。ふだん1分間を正確に計る訓練を受けていなければ「1フィート」と大して変わらない。 こうしてみると、放送の中で紹介されていた【前回の日記参照】、
ここで少々唐突になるが、「お菓子の価値判断は包装紙の色によって影響を受けるか?」を調べるために、日頃からお菓子を買っている人たちに、色別に箱に入れられたお菓子の箱を並べて、 ●それぞれの箱の中から1000円分ずつお菓子を取り出してください。 という実験をする場合はどうなるのか考えてみよう。 上記の「1フィート」とか「1分間」と異なり、参加者が日頃からお菓子の値段とか1000円という紙幣の交換価値を熟知しているのであれば、この場合であれば実験は成立する。 以上をふまえると、時間の過大評価・過小評価を確認するための実験では以下のような点に留意する必要があるかと思う。
次回に続く。 |