じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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2013年度版岡山大学構内の紅葉(3)
 
  • 写真上:岡大西門・西側花壇のホウキギ(コキア)。一年草なので、まもなく茶褐色に枯れる。
  • 写真中:岡大・東西通りのハナミズキ。花は赤、白、ピンクだが、秋は紅葉一色となる。
  • 写真下:図書館西側の桜。年々大きくなり、見事な紅葉を見せるようになってきた。なお、ここにある樹種はソメイヨシノではなく、里桜系。




2013年11月6日(水)

【思ったこと】
131106(水)学生たちと1時間にわたって禁煙論議


 岡大敷地内喫煙ゼロをめざして安全衛生委員活動日誌を執筆しているところであるが、11月6日の夕刻、いつもより遅い時間に文法経講義棟を巡回したところ、講義棟北側の自転車置き場付近で男子学生1名が喫煙をしていた。さっそく注意したところ直ちに喫煙をやめてくれたが、その後、近くにいた別の男子学生1名も寄ってきて、約1時間ほど、和やかに禁煙論議で盛り上がった。喫煙者の学生から言い分を聞く機会はなかなか無いので、備忘録代わりに、記憶に残っていることを記しておきたい。なお、当該学生は、論議の内容をそっくりブログ等に掲載してよいと言っておられたが、物忘れがひどくなってきたため、彼ら自身の主張をそのまま紹介することは困難。ここでは、彼らの言い分から連想された論点であること、また一部は、彼らの主張には含まれていない可能性があることをあらかじめお断りしておきたい。以下、黒字は、彼らの言い分を聞いた上で私がそこから「連想」した論点、緑字はそれに対する私の見解。
  1. 講義棟北側の禁煙エリアでタバコを吸うのは近くに喫煙所が無いから。休み時間に喫煙所まで往復するのは時間的に無理なので、もっと近くに喫煙所を設けてほしい。
    岡大では、数年前より少しずつ喫煙所を減らしている。喫煙所を遠ざけて不便にすることで、休み時間に喫煙を我慢する学生も出ている。禁煙を我慢しているうちにニコチン依存から脱却できるので、結果的に禁煙サポートになっている。
    休み時間に喫煙場所まで行く時間が無いというなら、まずは喫煙を我慢するべきだ。我慢できないというのであれば、それは明白なニコチン依存であって病気である。そういう依存状態を放置すると、将来の就職や、家族、航空機や禁煙車両での長時間の移動などに重大な支障がでる。喫煙習慣を固定せず、ニコチン依存から脱却するための努力をしてほしい。
  2. この近辺では、夜には、学生ばかりでなく、教授とおぼしき年配の男性が喫煙しているのを見かける。学生にだけ禁煙を強いるのは不公平だ。
    私自身は、通常18時前には帰宅しているので、夜の状況は分からない。但し、昼間であれば、学生だけでなく、ご近所の高齢者の方など、どなたにも区別無く注意をしている。この活動日誌の過去記事をご参照いただきたい。
  3. 理学部南側には2箇所も喫煙所が設けてある【←こちらのマップによれば、中庭を含めて合計3箇所であった】のに、文法経は1箇所しかない【←この学生は、文法経1号館と2号館の間の喫煙所の存在を知らなかったようだ】のは不公平。
    理学部になぜたくさん喫煙所があるのかは私にも分からない。しかし、全学の方針として、来年4月の敷地内全面禁煙に向けて、喫煙所を段階的に減らしており、この時点で、逆に増やせというのは逆行していて受け入れにくい。喫煙学生に対するサービスとして喫煙所を設けているわけでは決してない。
  4. 学生の意見も聞かずに、勝手に、喫煙所を減らしたり全面禁煙を決定するのはあまりにも一方的。事前アンケートなどを行って、学生の意向を把握した上で決めて欲しい。
    意見があれば、いつでも、意見箱などを通じて申し立てて欲しい。但し、禁煙化の方針は、多数決で決めるような問題ではない。仮に100人中99人が喫煙者であって禁煙に反対していたとしても、残り1名が非喫煙者であれば、弱者を守る立場から禁煙を断行すべきである。
  5. (長谷川は岐阜大学や立命館大学の敷地内全面禁煙の話ばかりしているが)、関西大学では以前、敷地内全面禁煙をしようとして失敗した。岡大でも失敗するに違いない。
    関西大学でどのような経緯があったのかは勉強不足で分からないが、それぞれの大学の成功体験、失敗体験を学び、岡大に活かしていくことが必要だと思う。
  6. じぶんは、将来結婚して子どもが生まれた時には禁煙する。また、就職先が禁煙であればそれに従う。しかし、現時点で、大学内で禁煙をしなければならない必然性はない。
    子どもが生まれた時に禁煙するというのであれば、いまから始めてほしい。大学内にも受動喫煙で被害を受けている人がいっぱいいる。
  7. 喫煙しても罰則が無ければ効果はない。街中の路上禁煙区域で喫煙しないのは反則金を取られるから。
    大学は教育の場であるので、罰的に統制するのではなく、まずはじっくりと説得活動を行い、本人が納得の上で禁煙していくことが望ましい。但し、私自身は、ここは禁煙というポスターを背にしてタバコを吸っている学生に対しては、かなり厳しく対処しているつもりだ。
  8. (喫煙者を採用しない企業や市役所があるというが)自分は社会人だが、自分の職場では喫煙が自由なのでそんな話は関係無い。関係の無い学生まで巻き込むのはやめてほしい。
    自宅で禁煙しろとは一言も言っていない。大学敷地内のような公共の場では喫煙するなと言っているだけだ。自分自身の健康のことはもとより、他の学生の将来のことも考えて欲しい。
  9. このような禁煙指導をしても自分はゼッタイにタバコを止めない。だから効果は無い。
    敷地内禁煙指導を徹底することで、30%の喫煙者を10%、5%に減らす効果はあると思う。つまり、喫煙者全員に効果があるかないかという議論ではなく、まずは、喫煙者のうちの相当数に対して効果があればそれでよいと思っている。それと合わせて、どうしてもタバコを止められない学生への禁煙サポートをしっかりしていく必要がある。
  10. 禁煙指導を強めることは、喫煙者への人権侵害、差別、偏見をもたらす。
    喫煙者、非喫煙者というのは、人種や民族とちがって、生まれつき固定されているものではない。喫煙者であると名乗るのではなく、将来は非喫煙者になるかもしれないし、場所をわきまえて喫煙するようになるかもしれない。自分自身を固定しないでほしい。公共の場で喫煙をすれば、当然、非難を浴びるだろう。このことは人権侵害にはあたらない。
  11. レストランに灰皿があれば、周りに人がいても構わずに喫煙する。それは喫煙者の権利。禁煙にするかどうかはレストランのオーナーが決めることだ。
    小さい子どもや若い女性など、副流煙の被害を受けやすい人たちが座っている時には、たとえ灰皿があっても喫煙は慎むべきだ。喫煙者全員にそういう思いやり、弱者への配慮の心があれば、健康増進法などで分煙や禁煙化をすすめなくても、公共の場での喫煙は自然に無くなっていったはず。
  12. 日本国内では20歳以上の喫煙は認められているし、喫煙者は多額の税金を払っている。大学敷地内を禁煙にするべきではない。
    飲酒などもそうだが、場所をわきまえてほしい。自宅で喫煙することまで禁止しているわけではない。
  13. 在学生に対して、何の意向調査も無しに突然「敷地内全面禁煙」を決めるのは一方的すぎる。
     敷地内全面禁煙の方針は、来年の4月実施に向けて、現在、キャンパス内各所の掲示、出入口付近での看板設置、Webサイトなどで、周知徹底をはかっている。組織としての大学の方針決定のあり方についてはいろいろ意見はあると思うが、それらは投書や教員との懇談会の場で出してもらうとして、とにかく、組織として決定したことは守ってもらわなければ困る。
     また、在学中に突然方針が変更されたと言っておられるが、【君たちは3回生、あるいは社会人入学1回生であるので】、すでに入学時には、指定喫煙場所以外での喫煙は禁止されていたはずだ。指定喫煙場所を利用している人ならともかく、それ以外の禁煙エリアでルールを守らずに喫煙を続けている人たちからの「突然方針が変更された」という屁理屈は通用しない。

 以上、思い出した順に記してみた。あとで思い出した場合は、そのつど追記していく予定。