じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
3月12日早朝の南の空。南東の空に輝く金星のほか、4月14日に地球最接近(今回は0.6176auの小接近)を迎える火星が目立つようになってきた。このほか、さそり座の3つ並んだ星の中央、さそり座デルタ星が明るい。ネットで検索した限りでは、最近、極端な増光は見られていないようだが、他の2つの星よりは明るい。 |
【思ったこと】 140312(水)コミュニティで創る新しい高齢社会のデザイン:平成22年度採択プロジェクト成果報告シンポジウム(4)新たな高齢者の健康特性に配慮した生活指標の開発(3) 昨日に続いて、表記のシンポジウムのメモ・感想。 「新たな高齢者の健康特性に配慮した生活指標【以下、JST版と略す。JSTは独立行政法人 科学技術振興機構Japan Science and Technology Agencyの略)】は、こちらの取材記事を要約すると、
ということになるかと思う。 余談だが、私自身がこれら16項目に回答したとすると、「新機器利用」と「情報収集」は満点だが、町内会や地域の行事には全く関心が無いので「社会参加」はゼロ点、また、他者の世話は苦手なので「生活マネジメント」は半分くらいの点になるようだ。「社会参加」のような面倒なことをするくらいなら、どこかへ旅行するか、一人で園芸作業でもしたほうがよっぽど充実した日々になるように思える。ま、そんなこともあって、私自身としては、人付き合いを好まないお年寄りのQOLを向上させるという課題に、人ごとでは済まされないという覚悟で取り組んでいるところではある。 ところで、各質問項目の意味内容をどうとらえるかについては、研究分野や質問紙尺度に対する考え方によってもいろいろと議論があるようだ。私個人は、心理学の中でもかなり原則論を重視する立場をとっているので、質問の意味内容をそのまま事実としてとらえることには反対である。 例えば、「私は神経質だ」という質問に「はい」と答えた人は必ずしも神経質とは限らない。むしろ「いいえ」と答えた人のほうが、自分の本性を明かしたくないという態度をとったという点で神経質かもしれない。であるからして、「私は神経質だ」が質問紙尺度の質問項目として採用されるかどうかは、それに「はい」と答えた人と「いいえ」と答えた人の比率が半々くらいであるか(通過率の問題)、また、神経質かどうかを測る別の尺度の総得点を比較したところ、「はい」と答えた人と「いいえ」と答えた人の間で有意な差があったか、他の項目との相関が高いかどうかという点を調べて、純粋かつ客観的に、統計的処理を行った上で決められなければならない。その結果として、「私は神経質だ」に「いいえ」と答えた人が神経質と判定される可能性もないとはいえない。 この手法で一貫させると、例えば、
昨日の日記で、 ...相関の高い質問項目はどちらか1つだけに絞られる。なので、選ばれた質問それ自体を改善して得点をアップさせたからといって、測ろうとしていた状態が改善されることには必ずしもつながらない。例えば、「ビデオやDVDプレイヤーの操作ができるますか」に「いいえ」と答えた人に操作法を伝授すれば、「新機器利用」の得点は1点増えるが、だからといってその人が新機器利用の能力をアップさせたということにはつながらないのである。と述べたように、この新指標を利用される方は、質問紙尺度の成り立ちについて、また、指標が誤解されたままで一人歩きしないように、しっかりと理解しておく必要があるように思う。 次回に続く。 |