じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
7月12日の月。月齢は14.6。満月の1日前。夏至の頃の満月は南の空の低いところにある。今年の場合は、6月13日(金)の13時11分が満月で、15時8分に月の赤緯が最南となる。 |
【思ったこと】 140612(木)長谷川版「行動分析学入門」第9回(2)好子出現の随伴性による強化(35)刺激弁別(2) 昨日の続き。 現存する動物たちは、経験を重ねることで、好子が出現しやすい環境に関係した外部刺激を手がかりとして
刺激Aが提示された場合(もしくは、存在する場合)と提示されない場合(もしくは存在しない場合)において、というように定義されます。 例えば、ハトの実験において、キーが点灯している時につつけば餌(好子)が提示される一方、キーが消灯している時につついても全く餌が出ないという条件のもとで訓練すると、ハトは、キーが点灯している時だけキーをつつくようになります。この場合は、キーの点灯が弁別刺激となります。 同じくネズミを使った走路の実験で、スタートboxのドアが真っ黒の時にゴールまで走れば餌が貰えるいっぽう、真っ白の時には餌が貰えないという条件で訓練すると、ネズミは、ドアが真っ黒の時だけ一生懸命走るようになります。この場合は、「ドアが真っ黒」というのが弁別刺激です。 このほか、2つの刺激が同時に機能する場合もあります。例えばハトの実験では、スキナーボックスに左右に並んだ2つのキーが取り付け、ボックス内の照明が青色の時は左のキー、赤色の時は右のキーをつつくと餌が出るようにします。いずれも、反対側のキーはいくらつついても餌が出ません。このような条件のもとで訓練すると、ハトは、照明の色を弁別刺激として正確にキーを押せるようになります。この場合は、青色、赤色の照明は、同時に弁別刺激として機能しています。
同じく、ネズミを使った、T型迷路の実験において、「分岐点の手前のドアに「●」印があった時は右、「▲」印があった時は左に曲がれば、ゴールで餌が貰える」という条件を設定したとします。何度も訓練するうちに、そのネズミは「●→右」、「▲→左」を学習しますが、この場合も、「●」印と「▲」印それぞれが弁別刺激として機能しています。
以上は動物実験の例ですが、人間社会はもっと複雑で、あらゆる行動が弁別刺激によって統制されています。
以上に限らず、私たちの言語行動は、音声や文字、単語といった弁別刺激によって成り立っています。言葉を使わずに、相手の気持ちを理解できるのも、実は相手の表情や仕草が弁別刺激になっているからです。 次回に続く。 |