じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 京都滞在中に見かけた気になる風景
  • A:同志社大学構内にあった「致遠館」。公式案内によると、「徳富蘇峰が、諸葛孔明の言葉「寧静に非ずんば以って遠きを到むるなし」から命名」したとのことだが、私のような俗人には、「資金課」の看板が横にあることから、ついつい、「資金調達が遅延する」と連想してします。
  • B:京都地下鉄今出川駅のエスカレーター。立ち位置は左側。大阪とは逆。
  • C:バス乗車中に偶然見かけた「北座」。「南座」は有名だが、北座もあるのかと思って検索したところ、現在は、北座ビルになっていることが分かった。
  • D:ホテルに戻る途中、バスで「駿台予備学校前」というアナウンスがあった。私が東京のほうで模試を受けに行った頃は「駿台予備校(駿台高等予備校)」と呼ばれていたのになぜ「予備学校」に改称したのかと思って検索したところ、「1980年 - 専修学校制度の発足を機に旧称の駿台高等予備校を駿台予備学校と改称。」という記述があった。35年も前から予備学校になっていたとは知らなかった。




2014年9月13日(土)

【思ったこと】
140913(土)日本心理学会第78回大会(5)高齢者への記憶支援(2)計算ドリルは記憶機能維持・向上に効果があるのか?

 昨日の続き。シンポでは、川島隆太先生の計算ドリルが記憶機能の維持や向上に効果があるのかどうかについて2つの研究報告があった。

 1番目の報告は、平均年齢73.6歳の健康高齢者18名を対象に、大学のトレーニングルームと自宅で合計週3回、計算ドリルと音読課題を各3枚を実施したものであり、期間は3年間に及んでいた。対照群は平均年齢71.1歳44名であった。対照群の高齢者には記憶機能に関する測定のみ行い、計算・音読のトレーニングは行わなかった。もっとも、対照群の人たちがどういう経緯でこの実験に参加したのか、また普段どういう活動をされているのかは聞き逃してしまった。その結果、作業記憶、短期記憶、認知記憶などにおいて、実験群では向上または維持、いっぽう対照者では低下傾向がみられ、計算・音読のトレーニング効果が確認された。

 2番目の報告では平均年齢70歳〜75歳(4つの実験により平均値がやや異なる)の健康高齢者を対象に計算ドリルを実施(音読トレーニングは無し)、5つの記憶機能(短期記憶、長期記憶、作業記憶、意味記憶、メタ記憶)等を測定するというものであった。実験により課題の数(50〜100問)や期間(8〜22週間)は異なっていたが、4つの実験のうちの1つで作業記憶に向上があった(対照群は低下)という効果が認められただけであり、全体として記憶機能への顕著な効果は確認されたなかった。

 ということで、2つの報告の結論は異なっているように思われた。違いが生じた可能性としては、1番目の報告では音読トレーニングが併用されていたこと、また期間が3年間というようにきわめて長期に及んでいたことが考えられるが、シンポではこのことについては時間が足りなかったこともあって特に議論はされなかった。

 2番目の報告のほうでも指摘されていたが、単純な四則演算というのはかなり退屈で面倒な作業であり、自宅で継続的に習慣化することはなかなか難しいようだ。私自身もいずれ高齢になった時には、そんなことをする時間があれば、代わりに詰将棋とか、幾何の証明問題に取り組むであろう。川島先生の研究では、難しい問題よりは単純な計算のほうが前頭葉機能を活性化するという結果が出ているようだが、やはり作業は、楽しんでやることが第一。手段としてではなく、それ自体が喜びをもたらすことのほうが生きがいになるのではないかという気もした。

 あと、1番目の報告で確認された効果であるが、大学のトレーニングルームまで足を運んで何らかの実験に参加するという方は日常生活においても、健康維持・増進につとめている方々ばかりであろうと推測される。なので、わずか週3回程度の計算・音読トレーニングだけでそのような効果があったのか、それとも日常生活の規則性や食事への配慮などが総合的に効果をもたらしたのかどうかは、いまいち分からない。

 
次回に続く。