【思ったこと】 140915(月)日本心理学会第78回大会(7)ACTとマインドフルネス(1)
今回から、「ACT(アクト)」と「マインドフルネス」に関する話題を取り上げる。この大会では例年になく、これらをタイトルに含む企画が多く、同じ時間帯に同時に開催されるケースまであった。まずは、基本的な理解のために、要点をまとめておく。【シンポ等の配付資料およびネットのコンテンツから引用】
- アクセプタンス(acceptance)
与えられているもの(感情、思考、症状、身体感覚など)、「今、ここ」で経験しているものを、判断を介さず受け取ること。英語のacceptance、あるいは中国語の「接受」は、「提供されたものを受けとる」(場合によっては拒否可能)。日本語の「受容」は対象側から主体への一方的に与えられた後の態度。
- マインドフルネス
ある特定の仕方で注意を払うこと、つまり、目的にそって、当該時点において、無評価的に注意を払うこと。今ここでの経験に、評価や判断を加えることなく注意を向けること。アクセプタンスは、注意、判断判断を避ける、覚醒といった点でマインドフルネスを含むことになる。
なお、ランダムハウス英語辞典では「mindful」は「心を配る、(…を)忘れない、(身辺に)気を遣って、意識して」というように説明されている。「mindful Japanese people」とは「気配りのきく日本人」。
また、ネット上のコンテンツによると、「Six core processes of ACT」として、
- Contacting The Present Moment means being psychologically present: consciously connecting with whatever is happening right here, right now.
- Defusion
- Acceptance means opening up and making room for painful feelings and sensations....
- The Observing Self
- Values are what you want your life to be about, deep in your heart.
- Committed action means taking action guided by your values ? doing what matters ? even if it’s difficult or uncomfortable.
という6箇条が挙げられていた。
このほか、今回のシンポで得た雑学的知識として、
- Good-Bye, “Feeling Good”-ism! Hello, “Valued Living” with Every Feeling!
- 慈悲は仏道の根本(スッタニバータ)。慈とは「人の幸福が増えることを願う心」、悲とは「人の苦痛が減ることを願う心」。「慈悲喜捨」の「捨」とは、英語の「equanimity」。偏りなく注意と関心を向けつつ、こだわらず、とらわれない姿勢。
などがあった。
ということであるが、ACTとマインドフルネスはもともとルーツが異なり、現在はランデブー状態にあるが、近い将来には再び別々の軌道を進んでいく可能性が高い、というのが、全体を通しての印象であった。
次回に続く。
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