じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
【思ったこと】 150216(月)オックスフォード白熱教室(23)すべての偶数は2つの素数の差で表すことができるか? 昨日の日記でゴールドバッハ予想の話題を取り上げた。ゴールドバッハ予想には、「強い予想」と「弱い予想」があるようだが、番組では ●4以上のすべての偶数は2つの素数の和で表すことができる(か?) という形で紹介されていた。 このことですぐに思い浮かぶバリエーションとして、 ●4以上の偶数は2つの素数の差で表すことができるか? という予想が考えられる。試しに、(いちおう2以上の)偶数を小さいほうから調べてみると、
じっさい、差が2になるような2つの素数の差は双子素数と呼ばれていて、2011年12月の時点で知られている最大の双子素数は、200,700桁の 3756801695685 × 2666669 ± 1 であるが、無限に存在するのかどうかは未解決問題になっているという。 また、差が4とか6になる場合に類似した発想として、いとこ素数、セクシー素数【ラテン語では 6 が sex であることに由来】、また、双子素数の拡張として、三つ子素数や四つ子素数などがあるそうだ。 ということで、ネットで調べた限りでは、差が6となる素数のペアまでは名前がついていることが分かったが、差が8以上になるようなペアについては、どこまで研究されているのかは調べることができなかった。 いっぽう、上記の問題とは少し発想を変えて、素数と素数の間の間隔はどのくらいまで長いことがあるのか、あるいは間隔の分布はどうなっているのか、といった疑問も出てくる。これにカンしては、英国出身でカナダ・モントリオール大のジェームズ・メイナード博士と、米カリフォルニア大のテレンス・タオ教授がそれぞれ独自に見つけた新定理というのがあるらしい。 どんな大きな数でも、600個ごとに区切ると素数が2個含まれる場合がある。必ず2個あるわけではないが、2個の素数が含まれる600個ごとの区間は無限に存在する。今後の研究で、区間の幅は600個より少なくなる可能性もある。【上記の表現で「2個の素数が含まれる600個ごとの区間は無限に存在する」という意味は分かりにくいが、こちらの書き込みの中に ある大きな数nを例に考える。n、n+1、n+2…、n+1000…、n+2000… と順番に大きくなる数字を書いた札を作り、600個ずつ同じ箱に入れる。すると、全ての箱に2個の素数が入るとは限らないが、素数2個が入った箱は無限にあるというイメージしやすい例が挙げられていた。ちなみにこの新定理を発見したジェームズ・メイナード博士は1987年生まれ、テレンス・タオ教授は1975年生まれであるという。メイナード博士の論文はこちらから拝読できるようだが、うーむ、600以下になるという数式部分以外はサッパリわかりませんなあ。このぶんでは、いずれ、ゴールドバッハ予想や双子素数問題、さらには、ミレニアム懸賞問題などが解決されていっても、私の頭脳においては「永遠に理解不能」問題として残りそうな気がする。 次回に続く。 |