じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 7月28日の岡山は夕刻に俄雨となる予報が出ていたが結局、雷雲は現れずによく晴れた。写真は夕食後の散歩時に見えていた月齢13.4の月。この日の02時31分には月の赤緯が最南となっており、津山線の信号とほぼ同じ高さ。黄色信号とよく似た色で同じ大きさに写っているが、誤認されることは無いのだろうか。

2015年07月29日(水)


【思ったこと】
150729(水)『嫌われる勇気』(21)人生のタスク

 7月23日の続き。

 第二夜(第二章)の後半では、アドラー心理学が掲げている「行動面の目標」と「心理面の目標」が掲げられていた【109-110頁】 。
  • 行動面の目標
    • 自立すること
    • 社会と調和して暮らせること
  • 心理面の目標
    • わたしには能力がある、という意識
    • 人々はわたしの仲間である、という意識
そしてこれらの目標を達成するためには「仕事のタスク」、「交友のタスク」、「愛のタスク」に直面せざるを得ないという【111頁】。

 上掲の「人生のタスク」は「ライフタスク」とも呼ばれているようだ。ウィキペディアでは、
  • 仕事のタスク(Work Task):永続しない人間関係。
  • 交友のタスク(Friendship Task):永続するが、運命をともにしない人間関係。
  • 愛のタスク(Love or Family Task):永続し、運命をともにする人間関係。もともとアドラーが述べていたのは、人類の存続に関する課題でもあり、男女の愛情関係が中心であったが、その後の進展で家族の問題も含まれるようになっている。
そして、これらが究極的には後述される「共同体感覚」につながっていくようである。

 ま、以上のような「目標」や「タスク」は、「アドラー心理学ではこう考えています」と言われて「はい、分かりました」というレベル(相手の主張内容を理解できたというレベル)であるならともかく、本当にそう思うかどうか(納得できるというレベル)と言われると、私のような利己的で、かつ他者との交流を最小限にとどめようとしている者には大いに抵抗がある。但し、人間関係上の悩みを抱えている人にとっては、これを信じる(信仰する?)ことは、有力な解決策となるかもしれない。

 この議論は本書の後半まで続くので、現時点でのせっかちなコメントは控えておくが、一点、「人々はわたしの仲間である、という意識」を現実社会の中で本当に形成できるのかどうかはかなり疑問が残る。戦闘が続くイラクやシリア北部を訪れて過激派組織に捕まった時に、いくら「人々はわたしの仲間だ」と自分に言い聞かせたところで、けっきょくは身代金目当ての人質にされ、あげくのはてに首を切られてしまう可能性が高い。また平和な日本にあっても、仲間であるはずの人々の一部から騙されてお金を巻き上げられることもある。仲間であると実感できるような仲良しグループに入って、その中に引きこもる以外には、タスクは達成できないのではないかという気もする。