じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
文学部西側にあるハナセンナ(流通名「アンデスの乙女」)とジニア・リネアリス。気象庁の統計が示す通り、9月中旬は適度の雨が降り、また比較的過ごしやすい日々が続いており、猛暑を耐え抜いた植物たちが勢いを取り戻しつつある。 |
【思ったこと】 150926(土)100分 de 名著:ダーウィン『種の起源』(1) 少し前の話題になるが、8月に放送されていた、NHK 100分 de 名著: ダーウィン『種の起源』 の感想。わずか100分という限られた時間の中で、興味深い話題が分かりやすく取り上げられていた。なお、『種の起源』は、こちらからテキスト版、イメージ版、PDF版を無料で閲覧することができる。 ダーウィンの進化論については、いろいろ議論もあり、また執拗に批判を繰り返すカルト宗教信者もいるようだが、あの時代、豊富なデータに基づいて斬新なアイデアを提案した功績は素晴らしいと思う。 このうち第2回では、自然淘汰が取り上げられていた。私が学生の頃は、「自然淘汰」ではなく「自然選択」が使われていたようだが(こちらに関連記事あり)、今回の放送では一貫して「自然淘汰」が使われていた。 放送2回目の冒頭ではまず「キリンの首はどうして長いか」という話題が取り上げられていたが、これについては2014年4月23日の日記でふれたことがあった。なお自然選択説については、ダーウィン単独の功績としてではなく、ウォレスほかの研究も合わせて考慮する必要がある。 自然淘汰は、「環境に適応できるモノが生き残ってきた」、「この世に生き残る生き物は、....変化に対応できる生き物だ」というように一言で説明されてしまうことが多いが、いくら個体として適応できたとしても、子孫が殖えていかなければ進化にはつながらない、という点にも留意する必要がある。また、世代として受け継がれていくなかで、ある程度のvariationが無ければ、生き残る者と死に絶える者の差は単なる「運」で決まってしまう。あの時代に、多様性の重要性に気づいていたという点もスゴイことだと思う。ちなみに、小中学校の頃に習ったピラミッド型の「食物連鎖」は、今では「食物網」として捉え直されているという。 「食物網」や多様性の考え方は、生産活動や経済活動にも応用できそうだ。また、個体レベルでの進化論とも言えるオペラント強化の考え方においても、行動の変動性や強化の多様性にあてはめていくことができる。 次回に続く。 |