じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 日曜日の午後は毎週、ボランティアで大学構内の草取りをしている。いつものように岡大西門・西側花壇に向かったところ、文化科学系総合研究棟近くで10人ほどの学生たちが敷石に座ったり自転車を駐めたりしてスマホを操作していた。このうちの1人に「もしかしてポケモンのゲームか?」と尋ねると、まさに「ポケモンGO」の真っ最中であることが分かった。この場所にはこのあとさらに数名が集まってきた。何とも異様な雰囲気。
 学生には「もう少しリアルなものに関心を向けたらどうだろうか。ここに咲いている花とか...。」などと声をかけてみたが、賛同する者は皆無。やはり、昨日述べた不安が現実のものに???

2016年07月24日(日)



【思ったこと】
160724(日)トールネケ『関係フレーム理論(RFT)をまなぶ』(74)アナロジー、メタファー、そして自己の体験(10)自己を経験すること−視点取りの結果(3)「私たち」の視点?

 7月21日の続き。

 RFTでは、「わたし/あなた」、「ここ/あそこ」、「そして,今/あのとき」という3つの関係が基本とされる。
According to RFT, this experience of perspective evolves from three different and yet interdependent relations that we can describe as I/you, here/there, and now/then. The two first are spatial relations, and the third is temporal.These three relations are learned as a part of our ordinary language training through an innumerable variety of everyday questions such as these:... 【原書103頁】
RFTによると,視点の経験は,3つの別々な,それでいて相互に依存もしている関係で,わたし/あなた,ここ/あそこ,そして,今/あのとき,と表現できるものから発展してくる。はじめの2つは空間的な関係で,3つ目は時間的なものである。これらの3つの関係は.私たちの普段の言語訓練の一部として,以下に示す類の数え切れないほど多様な日々の質問を通じて,学習される:...【翻訳書144頁】
 ここでいう質問とは、「What are you doing now? (あなたは,今,何をしている?)」といった問いであり、これに対して「An individual always answers from the perspective of I-here-now. This is the only perspective the individual experiences in a direct way. /個人は,常に,「私が − 今 − ここで」の視点から答える。この視点が,個人が直接的な仕方で経験する唯一のものである。」とされている。

 7月21日にも言及したが、ここまでの記述で素朴な疑問として浮かぶのは、「私たちは」という視点はどのように位置づけられるのか?という問題である。

 このうち「私たちは」という視点は、
  1. 私たちは、いま、何をしているの?→集団で共同作業をしているような場合。
  2. 私たちは、あした、どこへ行くでしょう?→集団の予定を尋ねる場合。
  3. 私たちは、あの時、何をしていたのでしょう?→過去のある時点での共同作業を尋ねる場合。
 これらのケースでは、まず、「私」という個人が、私の所属する集団と同じ行動をすることが前提となっている。上記の1.の「私たちは、いま、何をしているの?」という問いは、例えば幼稚園で皆がお遊戯の練習をしている時、それに逆らって独りで別の遊びを始めたり、お遊戯の練習を妨害しているような子どもに対して、「みんなと同じことをしましょうね」という圧力をかける目的でも使われる。いずれにせよ、
  • まず「私」の視点が確立し、「私」が所属する集団が明確になり、「私と同じことをする人たち」へのタクトとして「私たち」という視点が後から成立するのか?
  • まずは、家族を単位として「私たち」という視点が確立し、家族の中での個人の役割や別々の行動が明確になる中で「私」という個人の視点が成立するのか?
については、発達心理学の実証的な研究に基づいて議論をする必要がある。

 次回に続く。