じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
平成28年度・高校総体が岡山県を中心に中国地方各県で開催されている。岡大構内にも練習会場や特設駐車場が開設されている。30日(土)の最高気温は34.1℃まで上がり、炎天下での競技・観戦はかなり大変。 |
【思ったこと】 160730(土)トールネケ『関係フレーム理論(RFT)をまなぶ』(80)アナロジー、メタファー、そして自己の体験(16)視点取りと心の理論(4) 昨日までのところで、視点取りや関係フレームづけの訓練について言及してきたが、実際の発達のプロセスは、 McHugh, L., Barnes-Holmes, Y., & Barnes-Holmes, D. (2004). Perspective-taking as relational responding: a developmental profile. Psychological Record, 54,115-144. という文献の年齢比較の中からも知ることができる。なおこの論文は、ネットでタイトルを検索語とすることにより無料で閲覧が可能である。比較された年齢層は、18-30 years(adulthood)、12-14 years (adolescence)、9-11 years (late childhood)、6-8years (middle childhood)、3-5 years (early childhood)となっており、 I have a red brick and you have a green brick.といったシンプルな課題から、 Yesterday you were sitting there on the black chair, today you are sitting here on the blue chair. If here was there and there was here and if now was then and then was now.といった複雑な課題まで用意されており、当然、シンプルな課題ではどの年齢層でも誤答率は低いが、複雑な課題になるにつれて、まずは3-5 years (early childhood)の誤答が急激に増え、さらに複雑になると6-8years (middle childhood)でも誤答率が増えるといった結果が示されていた。また、それらの難易度は単純な文章の長さなどの影響ではないことも示されている。 もっとも、この種の課題では、「私」も「あなた」もすべて三人称的視点から記述されており、「私」を「Aさん」、「あなた」を「Bさん」に置き換えても、課題の難易度はそれほど変わらないかもしれない。視点取りや関係フレームの関与を実証するためには、「数理パズル」的な視点の入れ替え課題で正答することと、誤信念課題で正答を出すこととは必ずしも対応していないように思われる。 次回に続く。 |