じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
【思ったこと】 160817(水)トールネケ『関係フレーム理論(RFT)をまなぶ』(94)アナロジー、メタファー、そして自己の体験(30)「般化オペラント」についての復習(13)「関係づける」の意味(6) 8月16日の続き。 Hayes, S. C., Barnes-Holmes, D., & Roche, B. (Eds.). (2001). Relational Frame Theory: A Post-Skinnerian account of human language and cognition. New York: Plenum Press の27頁のところでは、ハトの連続逆転学習の事例と「恣意的に適用可能な関係反応」が対照されている。後者は連続逆転学習にほんのちょっと新たな特徴が付け加わっただけであり、それがまさに関係(relational)の反応であるという点なのである。これをルールの形で述べるならば、「この文脈では、AならB、だからBならA」ということになる。年齢の低い幼児では言語行動のリパートリを身につけていないため、こうした関係反応は、教師(訓練者)が設定した直接的な随伴性によって形成される。そうして関係反応のリパートリーが十分に確立すると、言語的なルール自体に基づいた関係づけができるようになる。 これに伴って、単に、2つの刺激に対して、与えられた文脈手がかりのもとで適切な関係反応ができるようになるばかりでなく、「どちらが大きい?」といった選択もできるようになる。さらには、「どちらが大きい?」への正解にリンクして「どちらが小さい?」にも正解できるようになる。つまり、「大きい」という不等号の向きとは逆の「小さい」という関係反応が派生されるようになる。ここで提唱されているのが、関係フレーム理論における中核的な概念「関係フレーム」である。 「関係フレーム」は、今回の復習テーマ「般化オペラント(ここでは「overarching operant」)の文脈的コントロールを説明する上で有用な概念であるが、もともとはスキナーの『言語行動』に出てくるオートクリティックに由来している。 次回に続く。 |