じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
【思ったこと】 160930(金)トールネケ『関係フレーム理論(RFT)をまなぶ』(120)アナロジー、メタファー、そして自己の体験(57)「般化オペラント」についての復習(38)RFTからみた般化オペラント(12) 昨日の続き。2013年に刊行された、 Dymond, S., & Roche,B. (Eds.) (2013).Advances in Relational Frame Theory Research and Application. は2001年刊行の「the purple book」から10数年経過した時点で、その後のRFTの発展を分かりやすく解説した内容となっている。昨日も述べたように、「第3章 Relational Frame Theory: An Overview」の58頁以降で、Barnes-Holmes & Barnes-Holmes (2000)の論文が引用されていた。またこの本全体の索引には「functionally defined operants」が項目として挙げられていたが当該頁は「58-59頁」となっており、論文引用箇所と同じところを示していた。ざっとチェックした限りでは、この本の中には「般化オペラント(generalized operant)」という用語そのものは登場しないが、58頁に Arbitrarily applicable relational responding is an archetypal example of a generalized, purely functionally defined operant (see for example Barnes-Holmes and Barnes-Holmes, 2000).と記されており、「a generalized, purely functionally defined operant」というのはまさに般化オペラントの定義であることから、実質的に、Arbitrarily applicable relational responding(この本では「AARR」と略されているのでここでもそれに従う)を典型例として、般化オペラントが論じられていることが分かる。 58頁以下ではまず、オペラントクラスが、形態的な共通性(topographical features in common)に基づいて便宜的に定義されていることがあるが(例えば「レバー押し」は、前足の動きという形態的に類似した反応パターンとして定義される)、純粋に機能的に定義しなければならないような事例もあるとして、般化模倣や、新奇反応(novel responding、Pryor, Haag, O'Reilly, 1969)が挙げられていた。 さらに、AARRを純粋に機能的に定義することに説明力を持たせるためには、それがどのようにして確立されるのかを明らかにする必要があると述べている。その基本的プロセスは複数の範例による訓練(multiple-exemplar training)であり、とりわけ幼少期において、モノとその名前を双方向に一致させる訓練をできるだけ広い範囲で行うことが般化をもたらすと述べられていた。
次回に続く。 |