じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
小倉城近くにある常盤橋。昨日取り上げた長崎街道は、ここの西詰めが起点になっているという。とりあえず起点から大門の近くまで歩いてみたが、案内板に記された10箇所のうち実際に確認できたのは常盤橋、小倉県庁跡(石碑のみ)、明治の黒いポストの3箇所のみであった。次回は全部回ってた上でもう少し西方向まで歩いてみようと思う。 |
【思ったこと】 161106(日)関係反応についての講義メモ(1)関係反応の定義/複合刺激との区別 再来週以降の授業で「関係反応」の話題を取り上げる予定なので、これを機会に分かりにくい点を整理しておこうと思う。
まず、関係反応の定義であるが、少し前の紀要論文では暫定的に以下のように定義したことがあった。 単一の刺激の絶対的な特性に対応した反応ではなく、複数の刺激間の相対的な特徴に対応して生じる反応この定義で重要なポイントは、「複数の刺激間の相対的な特徴に対応して」というところにある。 単一の刺激が複合した場合にも複合刺激特有の機能を有する場合があるが、これは必ずしも関係反応とは言えない。 例えば、「青信号の時に横断歩道を渡る」という場合は青信号は、じつは「自分が横断する方向に取り付けられている」という文脈のもとでの、「歩行者用信号機」と「青いライト」の複合刺激となっている。自動車用の信号機が青に点灯していても渡ることはないし、歩行者用信号機が赤や黄色の時に渡ることもないので、「単一の刺激の絶対的特性に対応した反応ではない」という点では関係反応の基準を部分的に満たしているようにも見える。しかし、信号機や青いライトは依然として横断行動の弁別刺激として機能しており、その意味では「複数の刺激間の相対的な特徴に対応して」という基準は満たしておらず、横断行動を関係反応に含めることはできない。 もう1つ、サカナ偏の漢字を例に挙げておこう。例えば、鯵、鯖、鯛、鰯、鰆といった漢字では、「つくり」の部分の「参」、「」、「周」、「弱」、「春」はそれぞれ、対応する魚とは全く無関係の意味をもつ漢字であり、この意味では「単一の刺激の絶対的特性に対応した反応ではない」という基準を満たしているように見える。しかし、「魚」という偏のほうは「つくり」と複合されても依然として「魚の一種である」という意味を保有しているし、どっちにしても「複数の刺激間の相対的な特徴に対応して」という基準は満たしていない。 いっぽう、引用元の論文では、以下のような例を挙げている。これらは関係反応の基準を満たすものである。 具体例としては、相対的関係自体を手がかり(弁別刺激)とした以下のような反応がこれに含まれる。以上の暫定的定義がなぜ暫定的であるかという点については、リンク先の論文の以下のような脚注を参照されたい。 そもそも何かを定義するとは、何かに関係づけることである。よって、「関係」自体を定義することは同義反復に陥る。ここに記した暫定的定義においても「複数の刺激間の相対的な特徴」というのは「関係」そのものを意味しており、「関係反応とは関係に対応して生じる反応である」と言っているに過ぎない。「暫定的な定義」と書いたのはこうした理由による。但し、この定義により、単一の刺激に対する反応は除外されており、「何が、関係反応でないか」は区別できるだろう。なお、ヘイズ・ピストレッロ(2009)では「関係づけるとは、ある事象に対して、他の事象の観点から反応するということである。」と定義している。 次回に続く。 |