じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
アメリカ大統領選挙は、大方の予想に反してトランプ氏が勝利した。11月9日朝のモーサテでは、この日のドル円相場を、トランプ氏勝利の場合は98円、クリントン氏勝利の場合は106円になるという変動幅の大きい予想をしていたが【長谷川の記憶によるため不確か】、トランプ氏勝利であったにもかかわらず極端な円高方向には進まなかった。これについては、Brexitと場合と異なり、トランプ氏優勢という開票結果が徐々に伝えられたため、機械取引による円買いとそれに巻き込まれたパニック的な円買いが起こりにくかったという説がある。また、トランプが大統領になれば米国金利は上がる傾向となるため、円安になって当然だという説もある。もっともそういう可能性であれば事前にも予測できたはずであり、後付けの解釈であるという印象はぬぐえない。けっきょく、エコノミストの予想は当てにならないということか。 余談だが、トランプ氏の勝利は、1989年の映画『バック・トゥ・ザ・フューチャーPART2』で27年前に予言されていたという説もある。ビフは大統領にはなっていないが、、トランプ氏のお顔と、映画に出てくる悪役ビフ・タネン(Biff Tannen)のお顔はそっくりのように見える。こちらの記事にあるようにビフのモデルはトランプ氏であったというから似ているのは当たり前といえば当たり前。とはいえ、27年前の映画制作時に、2016年のトランプ氏が映画のビフとよく似たお顔になるということは予想困難であったはず。骨格や表出の特徴は27年経っても変わらないとみるべきか、カブスのワールドシリーズ制覇と同様、予言があたったと見るべきか、まことに興味深い。 |
【思ったこと】 161109(水)関係反応についての講義メモ(4)実験による検証方法、あるいは類似した日常場面(2) 昨日の日記にも述べたように、遅延見本合わせ課題の標準的な手続は、
ここからは私個人の考えになるが、遅延条件を導入する最大の理由は、どれが見本刺激かということを明示することにあるのではないかと思われる。仮に見本刺激として猫の写真をパネルの上部に、3つの選択刺激(「イヌ」、「ネコ」、「ウシ」)をパネル下部のボタンのところに同時に提示したとしよう。言語的教示の助けを借りずに、パネル上部の写真と、いずれかのボタンを対応づける訓練をするのはなかなか難しいように思われる。まずは見本刺激のみを提示し、そちらに注意を向けさせることは必要であろうと思われる【ちなみに、遅延条件というのは、見本刺激が提示されてから選択刺激が提示されるまでに遅延があるという意味であり、選択刺激提示後も見本刺激が引き続き提示されている場合でも遅延であることには変わらない。】 ここで同一の刺激を選ぶという反射性の実験について考えてみよう。この場合、見本刺激として猫の写真、選択刺激として猫と犬の写真を提示して猫の写真を選んでもらうという課題はかなり用意であるように思われる。しかもこのケースでは、遅延条件は必ずしも必要ではない。テーブルの上に猫の写真カード2枚と犬の写真カード1枚をランダムな順に並べて、同じ写真を選んでもらうこともできる。 では、もとの対称律の実験に戻って、猫の写真カードと、「イヌ」と書かれたカード、「ネコ」と書かれたカードを並べた場合はどうか。猫の写真とカタカナ表記の名前を対応づけるという課題であることが言語的教示によりはっきりしている場合はこれも容易であろうが、それがなければ、「イヌ」と「ネコ」の文字カード2枚を選ぶ人も出てくるに違いない。なぜならそれら2枚は、いずれも文字で書かれたカードという点で、写真カードとは異なるカテゴリーに分類できるからである。 要するに、3枚のカードの中から2枚を選ぶという場合、
そもそも、「相互的内包」というのは、2つのものを同じと見なすということではない。むしろ、ある集合の中の要素を別の集合の要素と双方向に(一対一に)対応づけるという意味である点に留意する必要がある。じっさい、「ネコ」と「cat」の対応づけができたからといって、「ここにネコがいるよ」の代わりに「ここにcatがいるよ」とは言わない。ネコは日本語の会話、catは英語の会話というようにちゃんと使い分けられているはずだ。 次回に続く。 | tr>