じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 冬至の日にあたる12月21日(水)の朝は、最低気温が6.5℃という暖かい朝となった。この日は朝方、霧が出ていたが、放射冷却によるものとは異なる仕組みによるものらしく、平地では殆ど発生せず、半田山の中腹より高いところが一面霧に覆われていた。

2016年12月21日(水)



【思ったこと】
161221(水)関係反応についての講義メモ(35)長谷川の考え(9)

 昨日の日記で、刺激等価性を検証する実験として、条件性弁別手続に言及した。例として挙げられたのは、
3つの刺激A、B、Cを使った場合、見本刺激(A)に対して提示された比較刺激の中から特定の刺激(B)を選択させる手続きを指し、これを通して「AならばB」の関係が構築される。
というものであった。これは、一般に「選択型見本合わせ」と呼ばれる手続である。これに対して、「Go/No・Go型見本合わせ」、「Yes/No 型見本合わせ」という手続も知られている(中島,1995,行動分析学研究, 8, 160-176.)。中島(1995)では、これらは以下のように説明されている。【一部改変あり。】
  • 「Go/No・Go型見本合わせ」:見本刺激と比較刺激が特定の対応関係にあるとき反応すれば正答であり、それ以外のときは反応しなければ正答とする手続きである。具体的には、幼児に三角形の積木(SA)と別の三角形の積木(TA)を見せたとき、幼児が所定の反応をすれば正しく、SAと四角形の積木(TB)を見せたときには、その反応をしなければ正しいとする場合がこれにあたる。選択型見本合わせでは、比較刺激は複数呈示され、その中の1つを選べば正解であるが、Go/No・Go型見本合わせでは、比較刺激は通常1つしか呈示されず、それに反応することが正答か否かは、比較刺激が見本刺激と特定の対応関係にあるかどうかに依存する。
  • 「Yes/No 型見本合わせ」:見本刺激と比較刺激が特定の対応関係にあるときある反応をすれば正答であり、それ以外のときは別の反応をすれば正答とする手続きである。具体的には、幼児に三角形の積木(SA)と別の三角形の積木(TA)を見せたとき、幼児が「同じ」と答えれば正しく、SAと四角形の積木(TB)を見せたときには、「違う」と答えれば正しいとする場合がこれにあたる。Yes/No 型見本合わせでも、Go /No・Go型見本合わせと同様、比較刺激は通常1つしか呈示されない。
 上記では、「Go/No・Go型見本合わせ」、「Yes/No 型見本合わせ」に分類されているが、要求される反応が異なるという点を除けば、課題の構造は殆ど変わらないようにも思える。

 コンピュータを使った実験場面では、見本刺激や比較刺激となる図形や色はモニター画面に提示される。例えば、見本刺激として三角形が提示されたとする。比較刺激として三角形が提示された時にボタンを押せば正解、四角形が提示された時にはボタンを押さない(「Go/No・Go型見本合わせ」)か、別のボタンを押す「Yes/No 型見本合わせ」ことになる。

次回に続く。