じぶん更新日記

1997年5月6日開設
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 玄関先のクリスマス飾り。クリスマスと言えば妻の手料理を食べながら家族4人で一緒に過ごしたものであるが、2003年の予想通り、子どもたちが独立した後は、この飾りつけ以外にはそれらしい雰囲気は全く無くなった。クリスマスイブの夜も、妻がなかなか帰ってこなかったので(←私の夕食時間がかなり早いことも一因であるが)、パック御飯を電子レンジであっためて、鍋にあったおでんの残りを食べた程度。

2016年12月24日(土)



【思ったこと】
161224(土)火災予防のための「危険喫煙」対策の提言

 岡山大学では、2015年4月より敷地内全面禁煙が実施されているが、こちらの日誌にも記されているように、その実施後もニコチン依存から脱却できない学生・教職員による敷地内での「隠れ喫煙」が後を絶たない。

 敷地内全面禁煙は、法律的には労働安全衛生法で定められている職場の受動喫煙防止の努力義務を守るために学長が決定したものとなっているが、岡山大学は教育機関であるため、これに加えて、
  • 入学した非喫煙学生(←20歳未満が大半なので本来は喫煙率ゼロのはず)が、大学生活の中で喫煙習慣を身につけさせないための教育、啓発活動。
  • 喫煙学生に対する禁煙支援。
といった、健康指導、依存脱却のための支援にも重点を置いた取り組みがなされてきた。

 私自身も、敷地内で喫煙行為を見かけた時は、ニコチン依存や健康被害に重点を置いた説得活動を重視してきたところであるが、ここ数ヶ月ほど、紅葉や落ち葉の絨毯の写真を撮影しているなかで、乾燥した落ち葉の中にポイ捨て吸い殻が混じっていたり、タバコの灰をまき散らしながら歩行喫煙をしている光景を目撃する中で、本当に、「受動喫煙防止」と「健康目的の禁煙支援」だけでよいのか、もっと緊急に、消防法第三条に基づいた火災予防の観点から、危険な場所(灯油の保管庫近く、講義棟周辺の落ち葉の吹きだまり、枯れ葉・枯れ枝などの集積所)での危険喫煙行為に対して、厳格な対策をとる必要があるのではないかという考えに至った。ちょうど、敷地内での禁煙指導のあり方が議論されている時期でもあったので以下のような提言をまとめてみた。なお実際に関係部署に送る提言には、関係者以外には分かりにくいような固有名詞や、実際に目撃された事例などが記されている。以下は、それらを削除もしくは伏せ字にした内容となっており、一部は一般性のあるように改変した。
 本学のこれまでの喫煙対策は、受動喫煙防止と禁煙支援を目的とし、「社会人としての自覚とマナーの改善を促し,本学の喫煙対策への協力を求める」という指針を基本としています。このことについては私も理解しているところでありますが、これはあくまで、違反喫煙が安全な場所で行われていた場合に限ります。火気厳禁の掲示のある場所、あるいは枯れ葉の多い場所で喫煙し、平気で灰を落とし、そのまま吸い殻をポイ捨てするという行為を目撃した時にも、にこやかに禁煙のオススメなどしていてよろしいものでしょうか。

 こういう喫煙は、「依存喫煙」(本人の健康に悪影響を及ぼす喫煙)や「迷惑喫煙」(他者に受動喫煙の被害を及ぼす喫煙)とは区別し、消防法第三条に基づいて 「危険喫煙」と名づけて厳重に対策をとる必要があると思います【注3】。ちなみに、●●では、毎日のように、枯れ葉に混じったポイ捨て吸い殻を見かけることがあり、それが当たり前のような光景になっていますが、これは本当に当たり前と言ってよいのでしょうか。

 ポイ捨て者は、捨てる前に足で消しているので大丈夫だと主張するでしょうが、水気のない場所で足でつぶしたくらいでは簡単に火が消えるものではありません。煙が出なくなったように見えてもしばらくたってまた煙が出ることがあります。また、先日も●●で、伸ばした右手で火の付いたタバコを持って、時々煙を吸いながら歩行喫煙している男性を見かけましたが、少し大きめの灰が落ちれば周辺の枯れ葉に降りかかることがあります。私は夕食後の散歩時に何度か喫煙運転の自転車からタバコの火の粉を振りかけられたことがあり、また、灰の塊が路上で赤々と燃えているのを目撃したこともあります。【注4】

 最近発信されている禁煙よびかけのメールには、燃えている灰の落下やポイ捨てがもたらす危険性についての記述がどこにも見当たりませんが、これは火災発生の危険を過小評価しすぎているのではないでしょうか。

 これまでの全面禁煙対策は、労働安全衛生法に基づく「受動喫煙防止」と教育機関としての「喫煙習慣を身につけさせないための禁煙指導」に重点を置いて取り組まれているところですが、それよりも何よりもまず、吸い殻のポイ捨てがもたらす火災の危険について、冬場のこの時期に緊急にアピールを出すべきだと思います。

 では、実際にどのような場所が危険なのかということですが、建物周辺の落ち葉のたまりやすい場所に加えて、
  • 灯油などの保管場所
  • 落ち葉や茂みの密集した●●
  • ●●にある、枯れ枝や刈り取られた雑草の集積所
などが挙げられると思います。
 灯油保管場所の前で喫煙することなどいくらなんでもあり得ないと思われるかもしれませんが、私の日誌の12月2日付け掲載の写真をご覧ください。この例では、喫煙学生は吸い殻をポイ捨てしており、足元には10本以上の吸い殻が残っていました。目の前には落ち葉や枯れ草が残っており、万が一燃え移って最悪の事態となった場合、灯油保管所が火に包まれる恐れがありました。こういうケースでは、にこやかに禁煙のオススメをしているどころではありません。

 過去の記録を調べていただければ分かりますが、かつて、●●でボヤが発生し、消防車多数が出動したことがありました。当時、●●あたりは、柵の隙間をすり抜けて●●方面と行き来できるようになっており、また火の気が全く無い場所であることから、原因は、歩行喫煙者の灰が飛び散ったか、吸い殻のポイ捨てによるものと推測されます。

 ということで、今後の喫煙対策におきましては、まずは、消防法に基づく火災予防を最優先でお願いしたいと存じます。
 また机上の議論ではなく、消防署からも担当者をお招きした上で、じっさいに学内の危険箇所(タバコの灰が落ちた時に火災になりやすい危険箇所)を洗い出してほしいと思います。【注5】
 その上で、安全衛生部の喫煙対策スタッフだけでなく、守衛さんにもお願いして、火災防止対策として可能な限り巡回し、喫煙行為があった場合には直ちに止めさせるよう指示をお願いしたいと存じます。【注6】【注7】【注8】
 また、中期的には、
  • 危険箇所への防犯カメラ設置。これにより危険喫煙を未然に防止できるとともに、種々の犯罪防止、さらに万が一の火災発生のさい、火災原因を特定する手がかりとしても活用できます。
  • 消火器もしくは初期消火ができる消火栓の設置。
なども検討していただきたいと存じます。

 これまで岡大では、建物内の防火対策については、定期的な巡視が行われ、問題点に対しては適切な改善指導が行われてきたと思いますが、屋外での、喫煙行為が引き起こしうる火災対策については、殆ど何もなされてこなかったように思われます。実際に火災が発生する確率は、10年あるいは20年に一度程度かもしれませんが、今般の糸魚川の大火をみても分かりますように、いったん火災が発生した時には取り返しのつかない事態に発展する恐れがあります。「調査中」とか「防火対策を検討している」ということではなく、まずは対策としてできることを探し、即時に実施する必要があるように思います。

 なお、以上の申し上げた火災防止対策は、私自身は喫緊の課題だと考えておりますが【注9】、防火担当の役割を担っておられる地位ある方がご自身の責任を明確にされた上でそのような対処は必要無しと判断された場合はそれ以上申し上げることはありません。
 あと、この種の主張をすると、「喫煙所を復活させれば危険喫煙は減らせる」というご意見が必ず出てきます。喫煙所を復活させた場合、確かに、●●付近などの歩道上での喫煙頻度は減るものと思われます。しかし、喫煙所での喫煙が認められることで喫煙に誘われる学生が増え、結果的に喫煙者数が増加すれば、その中からまた危険喫煙を行う新たな喫煙者が生まれてくるものと思われますので、少なくとも火災予防の観点からはあまり効果が無いように思われます。小生の喫煙対策日誌は、全面禁煙実施の1年前の2013年4月から開始しておりますが、喫煙所が設置されていた時代でも講義棟や敷地内各所のベンチなどで違反喫煙、ポイ捨てが横行しておりました。喫煙所再設置につきましては、こうした資料をご高覧いただいた上で、次期学長先生に御判断をお願いしたいところであります。


---------------脚注--------------------------
  • 注1:略
  • 注2:略
  • 注3:消防法第三条では、
    第三条  消防長(消防本部を置かない市町村においては、市町村長。第六章及び第三十五条の三の二を除き、以下同じ。)、消防署長その他の消防吏員は、屋外において火災の予防に危険であると認める行為者又は火災の予防に危険であると認める物件若しくは消火、避難その他の消防の活動に支障になると認める物件の所有者、管理者若しくは占有者で権原を有する者に対して、次に掲げる必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
    一  火遊び、喫煙、たき火、火を使用する設備若しくは器具(物件に限る。)又はその使用に際し火災の発生のおそれのある設備若しくは器具(物件に限る。)の使用その他これらに類する行為の禁止、停止若しくは制限又はこれらの行為を行う場合の消火準備
    二  残火、取灰又は火粉の始末
    三  危険物又は放置され、若しくはみだりに存置された燃焼のおそれのある物件の除去その他の処理
    四  放置され、又はみだりに存置された物件(前号の物件を除く。)の整理又は除去
    となっています。大学の敷地内においては、消防署長ではなく、それに相当する消防団組織が構成されているはずです。
  • 注4:2015年5月13日
  • 注5:厳密に言えば、どんなに安全と思われる場所でポイ捨てしても、風で飛ばされた時には同じ程度に危険です。
  • 注6:こういうケースでは健康増進目的の禁煙のオススメは不要。直ちに危険行為を止めさせることが第一です。
  • 注7:「ポイ捨て禁止」の掲示を出すのも一案ではありますが、その場合は「ここは禁煙」の掲示もセットで出してください。単に「ポイ捨て禁止」だけ掲示すると、「この場所は、ポイ捨てさえしなければ喫煙してもよい」と解釈されてしまいます。またポケット灰皿持参の喫煙でも、灰皿から手を離して喫煙している際に火の付いた灰が飛び散ることがあります。
  • 注8:こまめに落ち葉を除去することも防火につながりますが、岡大は敷地が広く、茂みの中の落ち葉まで日々除去することは不可能です。また落葉シーズンには一夜にして落ち葉が降り積もることがあり、夜間の危険喫煙の恐れを無くすことはできません。
  • 注9:他の大学と比べると、岡山大学は樹木が多く、かつ岡山県南部の気候の関係で晴れの日が多いことから、特に冬場や、春落葉の時季の湿度の低い日には危険性が高いと判断されます。