じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 節分を前に、生協マスカットユニオン(北福利施設)入口床に「今年の恵方は北北西」というシートが貼られていた。恵方については、昨年の同じ日にも取り上げたことがあるが、24方位に基づいた正確な恵方は、今年の場合北北西よりやや北向き、時計の短針でいうと11時半の方位になるようだ。

2017年2月1日(水)




【思ったこと】
170201(水)ACTの価値論(8)価値vs.ゴール(4)

 昨日の続き。

 ここでふたたび、専門家向けに執筆されているハリス(2012)に戻る。翻訳書325〜326頁には、価値とゴールの違いについて具体例が挙げられていた。箇条書きに改変して抜粋すると以下のようになる。
  1. 体重5kg減はゴールである。
  2. 健康な食生活は価値である。
  3. スポーツジムに通うというのはゴールである。
  4. 自分の体を大切にするのは価値である。
  5. 豪邸に住みたいというのはゴールである。
  6. 家族を支えたいというのは価値である。
  7. 人に愛されること,尊敬されることは,ゴールである。
  8. 人を愛すること,尊重することは価値である。
  9. 今より不安を感じなくなることは「感情のゴール」であり,勇気を持って行動することは価値である。
  10. 明るい気持ちになるというのは「感情のゴール」である。
  11. 他者に対して心を開き,優しく気さくに接するというのは価値である。
  12. パートナーに文句を言うのをやめることは,「死人のゴール」である(死んだ人がパートナーの悪口を言うことはないはずだ)。
  13. 受け容れよう,理解しよう,正しく評価しようとすることは価値である。
 すでに言及した基準に合わせてみると、「価値」に相当するものは、能動的で具体的な行動であり、継続性で望ましいという性質があり、さまざまな行動と関連づけられているという特徴を満たしていることが分かる。
 例えば、3.の「スポーツジムに通う」というのは、具体的な行動であることや継続性がある点では「価値」の基準を満たしているが、「望ましい」性質かどうかは分からない。メタボ解消のために義務的に通ったり、ご褒美ポイントを貰うために通ったりするのであれば価値とは言えない。但し、スポーツジムで実際に遂行しているトレーニング自体が楽しめる内容であったり、他の参加者との交流で強化されていたりした場合は価値になりうるのではないかと思われる。
 愛されることは行動ではないので価値ではないが、愛することは行動であるゆえ価値になりうる。
 このほか「感情のゴール」や「死人のゴール」との区別も強調されている。

次回に続く。