【思ったこと】170308(水)オドノヒュー&ファーガソン『スキナーの心理学』(20)第4章 徹底的行動主義(2)
3月7日の続き。
第4章では、徹底的行動主義とは何かについて、まず、次のように述べている。
Skinner forther stated that "behaviorism is a formulation which makes possible an e ective experimental approach to human behavior. It is a working hypothesis.
It is important to keep clear about what kind of thing radical behaviorism is and is not. It is not a scientific law or set of empirical findings. It is rather, a metascientific position that attempts to define what the science of behavior should look like. A metascientific position is "beyond" or "above" science and is the level upon which general questionsabout science are examined. It answers questions such as: What should the psychologist study ―behavior, consciousness, unconsciousness? What methods should the psychologist use to study this domain―introspection, paper-and-pencil questionnaires, large social surveys, experiments? What are the most general organizing principles for this science―evolutionary biology, physiology, physics, or sociology?
行動主義は、ヒトの行動に対する有効な実験的アプローチを可能にする枠組みであり、研究対象の内容を知るための有効な仮説である(1970,p.18)。
徹底的行動主義とは、実証事実でもなければ、科学法則でもない、行動科学はどうでなければならないかについての定義の試みであり、メタ科学の立場なのである。メタ科学の立場とは、科学の上位に位置し、科学に関する一般疑問を検討するものである。心理学は何を研究すべきか?行動なのか?意識なのか?無意識なのか?そうした対象を研究するために、心理学はどんな方法論を使うべきか?内省法なのか?質問紙法なのか?社会調査なのか?実験なのか?さらには、進化生物学、生理学、物理学、社会学などの諸科学を広く網羅する一般原理とは何か?こうした疑問に答えるのがメタ科学である。
ということで、研究対象とその方法を明らかにすることが、徹底的行動主義とそれ以外の心理学を区別するキーポイントとなる。その上で、「...the proper subject matter of psychology is behavior, both overt and covert.(顕在的、潜在的、両面にわたる行動こそが心理学にふさわしい研究対象だ」ということを根本主張に挙げている。)」と指摘されていた。
上記の「潜在的」というのは私的出来事の扱いに関連している。徹底的行動主義を説明している多くの入門書、関連書では、私的出来事を扱うこと、但し、その原因を、現在及び過去における外的環境との関わりの中に求めるという点を強調している。
次回に続く。
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