じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
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文法経2号館前にあるアンズがまもなく開花の見込み。1本は昔からある大木。もう1本(写真)は大学院修了生の御寄贈による。 |
【思ったこと】170321(火)徹底的行動主義の呼称の起源(2) 昨日に続いて、 Schneider, S. M., & Morris, E. K. (1987). A History of the Term Radical Behaviorism: From Watson to Skinner. The Behavior Analyst, 10, 27-39. の要約と感想。 まず、論文の初めのあたりでは、「radical behaviorism」の呼称の起源を探るばかりでなく、その使われ方や意味がどのように変化していったのかをたどることにも意義があると主張されていた。じっさい、そのこと自体が、徹底的行動主義の内容を豊かにし、かつ、行動分析学の研究の指針を与えることにつながると考えられる。 次に、ワトソンによる行動主義の呼称であるが、周知のようにこれは、有名な、 Watson, J. B. (1913). Psychology as the behaviorist views it. Psychological Review, 20, 158-177. の中で、タイトル自体にも使用されている(提唱されたのは1912年)。 論文では続いて「radical」の意味について考察されていた。昨日も述べたが、radicalはおおむね以下のように使われている。
昨日も述べたように、「radical」はもともとは、ワトソンの行動主義の特徴づけにあたって、「extreme」あるいは「iconoclastic」という意味で使われていた。また「political」のニュアンスでワトソンの行動主義を「this extreme left wing of Behaviorism」と表現している文献もみられるという。 論文では、続いて、ワトソンより少し先行して「Radical empiricism」という呼称が使われていたことが指摘されていた。こちらは、William Jamesによるものであり、ウィキペディアの該当項目では、 Radical empiricism is a philosophical doctrine put forth by William James. It asserts that experience includes both particulars and relations between those particulars, and that therefore both deserve a place in our explanations. In concrete terms: any philosophical worldview is flawed if it stops at the physical level and fails to explain how meaning, values and intentionality can arise from that.と紹介されている。 次回に続く。 |