じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
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3月25日の日の入り(写真上段。18時09分頃)と3月26日の日の出(写真中段と下段。6時04分頃)。日の出の方位が北側に移動していくため、自宅の南向きのベランダからの日の出の瞬間を眺めることができるのはこの春では最後となる。(次に見られるのは秋分の日の一週間前頃から。) |
【思ったこと】170325(土)徹底的行動主義の呼称の起源(6) 昨日に続いて、 Schneider, S. M., & Morris, E. K. (1987). A History of the Term Radical Behaviorism: From Watson to Skinner. The Behavior Analyst, 10, 27-39. の要約と感想。昨日引用したように、スキナーが刊行された論文の中で「radical behaviorism」という言葉を使ったのは、 Skinner, B. F. (1945). The operational analysis of psychological terms. Psychological Review, 52, 270-277, 291-294. の294頁が最初であった。しかしこれは、操作主義をめぐる誌上シンポの意見表明(フォーローアップ・セクション)の部分で使用されたものであって、他の著者の1回目の原稿に目を通したあとで執筆されたものであった。本論文によると、1回目の原稿の中で、Pratt (1945, p. 263)[※]がすでに「radical behaviorists」という言葉を使用していた。この呼称はおそらくワトソンの行動主義に向けられたものと思われるが、不明瞭であるとされている。いずれにせよ、このことが、スキナー自身が「radical behaviorism」を使うきっかけになった可能性はある。 [※]Pratt, C. C. (1945). Operationism in psychology. Psychological Review, 52, 262-269. いずれにせよ、Skinner(1945)では、意識や私的出来事を、言語行動の観点から研究対象とすることが明言されており、この考え方は、1953年の『科学と人間行動』や1957年の『言語行動』で詳細に論じられるようになった。 本論文によると、1940年頃から1960年代初期のあいだは、ワトソンに対しても、スキナーに対しても、他の立場の研究者が「radical behhaviorism」という呼称を使うことは稀であった(infrequently)。代わりに使われた修飾語の中では「記述的(descriptive)」というのがある。実際、ヒルガードの『学習の理論』でも当初はこの修飾語が使われていた。しかし、スキナー自身は、「記述的」というのは単なる構造主義に近い呼称であるとして一切使用せず、ヒルガードの教科書の第二版(1956)でも使われなくなった。 本論文の34〜35頁によると、その後1960年代半ばからは、「radical behaviorism」が定着した呼び方になってきた。Keller(1973)[※]は、Skinnerの理論について、 ...has been called descriptive behaviorism or, more recently, radical behaviorism... と解説しているという。 [※]Keller, F. S. (1973). The definition ofpsychology (2nd ed.). New York: Appleton-Century-Crofts. 次回に続く。 |