じぶん更新日記

1997年5月6日開設
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 岡大西門、西側花壇でラベンダー(ストエカス・ラベンダー、Stoechas Lavender、またはフレンチラベンダー、Lavandula stoechas)が開花。新しい建物の建設工事が始まる前に球根類は大部分移植したが、移植の難しいラベンダーの大株はそのままとなっていて、結果的にラベンダー花壇のようになってしまった。

2017年4月27日(木)



【思ったこと】170427(木)心理パラドックス(6)リスク回避とリスク志向(2)

 昨日とりあげた、「敵の大軍に囲まれている作戦」クイズでは、状況によっていずれかの作戦を取らざるをえない場合がある。【長谷川により改変】
  1. 部隊が全滅してしまうと、味方の別の部隊に重大な悪影響を及ぼす場合。例えば、重要な機密情報とか、新型兵器を別の部隊に届ける途中であった場合は、とにかく一人でも生き残る必要があるので、「確実に100人が生き残れる」という作戦1を選ばざるを得ない。
  2. 次の作戦では最低200人の兵士が必要であると分かっている場合。確実に100人が生き残る作戦1ではこの目的が達成できないので、結果的に、1/3の確率で全員が生き残れる作戦2に賭けるほかはない。
というものである。
 こうした事例は、いくら仮想のクイズであるとはいえ、兵士の命をあまりにも軽く扱っているので私はあまり好きではない。代わりに、
 この抽選券は確実に100円に交換できる。抽選に参加した場合、1/3の確率で当たれば、300円の当選金を受け取ることができる。但し2/3の確率で外れた場合は一銭も受け取れない。
というように置き換えて考えてみる。その人のサイフが空っぽで、帰りのバス代にどうしても100円が必要という事情にあれば、確実に100円に交換するであろう。いっぽう、バス代が200円必要であると分かっていた時には、抽選に参加するであろう。

 なお、上記で、「100人」と「100円」が置き換えできると述べたが、厳密に考えると、人数のほうは、一定の母数がありその中の比率として意味を持つ。上記の例で言えば、「300人生き残れる」というのは100%という最良の結果を意味する。いっぽう、「300円貰える」という場合、当選金は何千万円、何億円という場合も想定できるので、100%という最良の結果とは言えない。さらに言えば、作戦の選択は一度限りの重大な決定だが、抽選への参加は、日々、受け取ったり支払ったりする金銭の一部に関わる一部にすぎない。経済学でいう「限界効用逓減」の法則を適用できるかどうかについても、この点をもっと考慮し、形式上の一致だけで安易に当てはめるべきではないように思う。