じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
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保健所から高齢者肺炎球菌予防接種の案内が届いた(写真下)。今年の3月には、植物園や後楽園の入園料が無料となる「岡山市シルバーカード」も届いている(但し、誕生日以前は使用不可)。来月6月5日には定年退職まで残り300日となるが、年齢面でも着々と65歳に近づいていることを実感するこの頃である。 |
【思ったこと】 170511(木)ボーム『行動主義を理解する』(3) 昨日に続いて、 ボーム(著)森山哲美(訳)(2016).『行動主義を理解する―行動・文化・進化―』 二瓶社. の話題。 本書(第二版の翻訳)の第1章の冒頭では、 行動主義の中心となる思想を語るなら、それは行動の科学は可能であるという思想である。この考えがどのような意味を持つのかについては、行動主義者によって異なる。特に、科学とは何か、行動とは何かについてはなおさらである。しかし、すべての行動主義者に共通する見解は、行動の科学は可能であるということである。と語られている。実際、「行動の科学」と言っても、「行動」や「科学」の定義が異なれば、それに対応した異なる学問体系が成立しうる。徹底的行動主義の位置づけ、認知心理学との対立点などもすべて、「行動」と「科学」の定義の違いに由来していると言っても過言ではないように思う。 第1章では続いて歴史的背景が語られている。内観主義を攻撃した2つの思考路線として「客観心理学」と「比較心理学」が挙げられている点は興味深い。比較心理学が詳しく取り上げられているのはボームの出自と関係しているのかもしれない。もっとも、比較心理学自体は、内観主義と無関係に成立しうるし、そこで得られた知見が人間行動の説明に役立たないものであったとしても、動物の弁別行動などを適確に説明できるものであればそれはそれで意義があるとは思う。 第1章の後半では「自由意志vs決定論」についての記述が翻訳書で8頁にものぼる点もまことに興味深い。私自身はもともと、ユダヤ教的、キリスト教的な考えを全く持ち合わせていないこともあり、この問題の重要性についてはあまり考えたことがなかった。自由意志があろうとなかろうと、自己責任そのものはついてまわり、犯罪に対しては相応の処罰が必要であるとは考えている。 次回に続く。 |