じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
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7月21日午前0時に発生した台風5号が、迷走・停滞を続けたあと、いよいよ日本列島に近づいてきた。8月3日朝には、九州北部を通過して日本海に抜けると予想されていたが、直近の予想では、なっなんと、8月7日の午後に台風の中心が岡山のすぐ近くを通るというように修正されている。実際の進路はどうなるだろうか。 |
【思ったこと】 170804(金)行動分析学の用語統一議論(5)随伴性 昨日の続き。こちらのリストの中でもっとも基本的な用語と思われるのは「contingency 随伴性」であろう。このような基本中の基本となる用語が検討の対象に含まれていることはまことに興味深い。 「随伴性」という訳語の由来について詳しく調べたことはないが、行動分析学が日本に紹介された頃、慶応の佐藤方哉先生の周辺ではかなり早くからこの用語が自然に使われていたと聞いている。 「随伴性」は行動分析学では基本中の基本として使われているが、残念ながら世間にはそれほど広まっていない。ウィキペディアでは 随伴性(ずいはんせい)とは、担保物権や保証債務などに認められる性質で、債権・債務(担保物権の場合には被担保債権、保証債務の場合には主たる債務)が債権譲渡や転付命令などによって移転した場合に、担保物権や保証債務もこれらとともに移転するという性質をいう。明文の規定はないが担保の性質上、当然であるとされている。というように、行動分析学とは全く関係のない宅建業界の用語として紹介されている。 「随伴性」に関してはこのほか、こちらの論文でとりあげたことがあった。その中で、久保田・桐谷・鎌倉・江藤・岡西(2003)は、「随伴偶果性」という新たな訳語を提唱していることに言及しているが、その後特に動きはなさそう。このほか、行動分析学以外の分野では、「contingency=偶有性」と訳されている場合もある。 ところで、「随伴性」は、名詞「随伴」と接尾辞「性」から構成されているが、接尾辞「性」がなぜ必要なのかについてはあまり議論されてこなかったように思われる。接尾辞「性」についてはこちらに興味深い考察があり、
(一)物事の性質・傾向。といった意味があるが、「随伴性」は(一)の「物事の性質や傾向」とは言えないので、(二)の意味のようである。といって、「随伴」というように「性」を省略しても何か都合が悪くなるわけではないようにも思える。 ※上記の「植物性」、「引火性」、「一般性」、「安全性」、「危険性」、「可能性」、「確実性」、「重要性」などは「性」を取ると別の意味になってしまうが、「随伴性」を「随伴」としても意味は変わらないように思える。 次回に続く。 |