じぶん更新日記

1997年5月6日開設
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 10月31日のハロウィンに合わせて、生協マスカットユニオンでも、ハロウィン・マスキングテープの販売や、「ハロウィン・ハンバーグ」という特別メニューの提供があった。さっそく「ハロウィン・ハンバーグ」を注文したが、カボチャのソースがかけられている他は特に変わったところはなかった。

2017年11月1日(水)


【思ったこと】
171101(水)日本行動分析学会第35回年次大会(20)超高齢社会における行動分析学(18)終末期の迎え方(3)

 10月31日の続き。

 時間制限があるため今回の話題提供では取り上げることができなかったが、本来は、認知症高齢者の生きがいについても触れておく必要がある。

 日本国内の65歳以上の認知症患者は年々増加しており、2012年時点で462万人に達し、2025年には約700万人で65歳以上の5人に1人になると見込まれている【内閣府『平成28年版高齢社会白書』http://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2016/html/zenbun/s1_2_3.html】

 認知症が進行した場合、いまの自分がどのような活動の束から構成されているのか把握することができなくなる恐れがある。そのような時は、残された力を活かして、「いま、ここ」を最大限に楽しむべきであろう。2017年5月28日初回放送のNHKこころの時代「“いま”を共に楽しむ」という番組の中で、介護福祉士・劇団主宰の菅原直樹氏は、次のように発言をしておられた。【長谷川による要約】
  • いまの社会は進歩主義(きのうよりきょう、きょうよりあした)によって支えられている。できない人は、反省して、学習してできるようにならなければならない。
  • 高齢者は、だんだんできなくなっていく。何が正しくて何が間違っているのかはとうの昔に知っている。衰えていく者に対して、無理して成長させようとするのか? 「成長する・成長しない」とは別の価値観で接する必要がある。
  • 高齢者は、いまこの瞬間がいちばんいい状態。明日はもっと悪くなっているかもしれない。いまこの瞬間を楽しまないでいつ楽しむのか?
 上記の考え方は、ハリス(2015)同様にコントロール神話を否定するものであり、また、改善や進歩のツールを提供することだけが求められるわけでない点を指摘している。行動分析学を活かす場合も同様であり、行動の改善ばかりではなく、いまを楽しむツールを提供することにも積極的に取り組む必要がある。その際には、行動分析学の基本原理や、強化スケジュールの知見が有用となる。例えば、
  • 行動の直後に好子が随伴する機会を保障する。
  • 強化スケジュールの法則に基づき、規則的な結果随伴ばかりでなく、変比率や変時隔といった、不確実で意外性のある結果が随伴する機会を保障する。
という工夫は、「いまこの瞬間を楽しむ」ための行動環境提供に有用であろう。

 次回に続く。