じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 2017年11月のウォーキング総括と脳年齢チェック。2017年11月は、総歩数37万4733歩、1日あたり平均1万2491歩となり基準の1万2000歩を上回った。 上のグラフはいつもの通り、毎日の歩数を少ない順に左から並べたもの。左端の落ち込みは、その月に何らかの事情で歩数が少なかった日があることを示す。右端はその月に最も多く歩いた日の歩数。グラフが12000のあたりで水平になっているほど、毎日の歩数がほぼ安定していたことを意味する。
 台風接近や長雨の影響を受けた先月10月に比べて今月は天候に恵まれ、ほぼ安定した歩数を確保することができた。
 いっぽう、脳年齢チェックのほうも、訓練効果による向上がさらに進み、「40歳以上」という判定はゼロ、「30歳未満」の判定が9回、中央値は32歳という好成績をおさめた。しかし11月17日の日記に記したように、当該の判定サービスは11月30日をもって終了した。12月からは何らかの別のオンライゲームで、瞬間判断力や記憶力の維持につとめたいと思う。


2017年11月30日(木)


【思ったこと】
171130(木)理論心理学会「生涯発達理論の構築に向けて」(3)『論語』に依拠した思春期以降の発達課題の設定(2)

 昨日に続いて、日本理論心理学会第63回大会のシンポジウム

●生涯発達理論の構築に向けて―“オルタナティブ”におけるアイデンティティを中心に―

の感想。1番目の、

●『論語』に見る人生80年時代の発達課題―『論語』に依拠した思春期以降の発達課題の設定―

という話題提供では、私自身にも関係しそうな、高齢者の発達課題が提示されていた。

 まず、60歳から70歳までは「六十にして耳従う(耳順う、耳順)」の教えが課題となる。60歳代では、防衛的な心理や認知機能の衰えから頑固になりがちである。それをふまえて、
若い人や我が子の助言にも耳を傾け素直に聞き、受け入れるべきは受け入れ、また自己の非を認めて訂正するなり、謝るよう心掛けることが大切である。つまり、<防衛的態度からの解放>とく心のしなやかさの維持>がこの時期の課題である.
と論じられていた。「高齢者の防衛的な心理」がどういう形で現れるのかについてはもう少し議論が必要であるとは思うが、それは別として、頑固になりがちという傾向は確かにあると思う。また近年では、ハイテク機器に馴染めない高齢者が取り残され、その結果として孤立化、難民化が進むという問題も生じている。かくいう私も、スマホは全く操作できない。柔軟さを保つとともに、世間とのあいだに必要以上の障壁を設けないことが必要であろう。

 次に70歳以降は「七十にして心の欲する所に従えども矩を踰えず(越えず、従心)」の教えが課題となる。そこでは、
老化を最小限度に食い止めるよう日々の生活に心掛け、自由気ままに振舞っても、周囲の人の迷惑にならないよう心掛けることが大切である。つまり、この時期の課題として、<心身の健康管理>とくモラルとマナーを弁えた精神の自由・闊達>を挙げることができる。
と論じられていた。
 以上引用させていただいたように、高齢期の発達課題についての考え方は、エリクソンの発達課題とはかなり異なっている。

 もっとも、東洋的な視点といっても、論語と老荘思想では全く異なった内容となっている。また、孔子であろうが老荘思想であろうが、現代日本でそれを実践していくためには、個人レベルでの経済的基盤が不可欠となる。他者に迷惑をかけない生き方は理想であるが、高齢者が世間から相手にされるかされないかという問題は、好むと好まざるとにかかわらず、
  1. 世間から慕われているか
  2. 世間にとって役に立つ人間であるか。
  3. 世間に影響を及ぼす力を持っているか
のいずれかに左右されるように思う。このうち1.は美しい言葉であるが、自己を犠牲にして献身的に尽くした人や、世間に明るい希望を与えられるような人でないとなかなか該当しない。次の2.は聞こえはいいが、しばしば、有用性、つまり、利用される価値のある人間と同じことになってしまう。最後の3.は、資産や人脈を使って強権的に影響を及ぼす場合が多い。
 以上とは別に、豊富な知識や経験に基づいて何らかの有益な情報を提供できる高齢者の場合は、2.にも3.にもあてはまり、結果的に1.にもあてはまるようになる。私の場合もそういう生き方ができれば一番よいと言えるかもしれない。

次回に続く。