【思ったこと】 180304(日)ACTの最新事情
福井県・敦賀で行われた「ACT Japan 2017年度 年次ミーティング」に部分参加させていただいた。このミーティングは守秘義務があり、ここでは備忘録を目的として、事例には直接関係ない、印象に残った点のみを箇条書きに記しておく。「→」以下の部分は長谷川の感想。
- 和語としての「老ゆ」と「親」は同根。
→確かに「おゆ」と「おや」は発音も似ている。出店は不明。
- もともと、日本では「老」に悪いイメージはなかった。仏教の「生老病死」の考えが入ってきて苦悩の1つに数えられるようになった。
→中国では、姓の前に「老」をつけると。目上の人に対する敬意と親しみを表す表現になると聞いたことがある。
- 過剰なアンチエイジングは、ACTでいう「体験の回避」に陥る可能性がある。
- ACTが有効なのは「体験の回避」がある場合。
→なんでもかんでもACTが有効というわけではない。
- ACTの発想は、問題行動を減らすことではない。価値につながる行動の比率を増やすことが肝要。
- 老年的超越(こちらに紹介記事あり)尺度の質問項目は、ACTの発想に似た内容が含まれている。
- 「補償を伴う選択的最適化」(selective optimization with compensation; SOC) もACTのモデルで説明できる(←というような話だったと思うが、長谷川の聞き取りのため不確か)。
- ACTは、治療や投薬の「文脈」を変換する。
- ACTは、日本版Cognitive Fusion Questionnaire(認知的フュージョン尺度)と日本版Acceptance and Action Questionnaire-II【こちら参照】のいずれにおいても、スコアが平均点以上である場合を適用の目安とする。この目安をクリアーしないケースでは、行動活性化、スキル訓練、弁別訓練、エクスポーシャーを実施するほうがよい。
- 体験の回避を1つの集合とすると、アクセプタンスはその補集合である。
- コミットメントは日本語に訳しにくいが、「言行一致」に近い。
- ACTを実施する場合のインフォームド・コンセントにあたっては、体験型であること、集中的に実施されること、3ヶ月を要すること、旅に喩えられることなどを確認する。
→3ヶ月というのは、毎週実施の場合12回、隔週なら6回となりいずれも6の倍数となっている。
- Lambert, M. (1992)やDuncanの「On Becoming a Better Therapist」で論じられているように、心理療法を受けたことによるクライエント改善効果において、療法自体(技法自体)は15%程度にすぎない。それ以外のファクターを高めるような努力も必要。【こちらに関連記事あり】
- ACTの入門者は、関係フレーム理論のところで挫折しやすい。セラピストがACTを学ぶ場合、関係フレーム理論の章は飛ばしても構わない。(←長谷川の聞き取りのため不確か。)
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