じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
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 6月19日(火)の昼頃、津島東キャンパス構内を通過したところ、一般教育棟C棟の出入口付近で、人目もはばからずに喫煙をしている男性がいた。さっそく近寄って、喫煙を止めるように注意し、さらに、ニコチン依存の弊害を中心に禁煙のオススメをした。
 この男性は岡大に7年も在籍しているというが、岡大が敷地内禁煙であることや、学部学生の場合は8年をすぎると除籍になることを知らなかったと言うなど、まともにコミュニケーションがとれない状態にあった。単にとぼけているだけなのか、意識が朦朧としているのか、(当人は日本人だと言っていたが)日本語がよく分からないのか、短時間では対応が困難であるように感じた。なお、一緒に座っていた男子学生2名は、その時たまたま居合わせて知り合いになっただけであると言っていた。
 岡大構内では相変わらず、座主川沿い、講義棟裏などでの隠れ喫煙が横行しているが、人通りの多い講義棟の玄関付近での喫煙というのはきわめて稀であり、ニコチン依存とは別の何らかの行動原因をさぐる必要がありそう。

2018年6月19日(火)


【小さな話題】

「くすぐったい」という感覚の起源

 6月17日に続いて、NHK「チコちゃんに叱られる!」(6月15日、第10回放送)の話題。

 第10回では、「くすぐったい」という感覚の起源やいくつかの特徴が取り上げられた。

 山口創先生によると、地球上で人間を最も多く殺している生物は虫であり、

●くすぐったいという感覚は、人間の天敵から身を守るための重要な防衛本能

として機能しているということであった。

 くすぐられると笑い出す人が多いことから、「くすぐったい」は快感をもたらすように思えるが、山口先生によれば、本来は、

●蚊のような害虫が皮膚にとまったときに感じる不快な感覚

であるという。しかし、からだのどの部分でも均一にくすぐったくなるわけではない。くすぐったい部位は、主に皮膚の表面近くを動脈が通り、自律神経が集中している場所であり、具体的には、耳、首筋、脇の下、手の甲、膝の裏、足などに限定されている。動脈が近いことから、これらは体の急所になっている。感覚刺激自体は中性的であるが、脳の体性感覚野に伝わることで独特の感覚が生まれる。

 ここまでのところを条件づけの分類に従って整理すると、くすぐられた時の特有の防御反応は、からだの特定の部位に対する刺激を無条件刺激(US)によって誘発される無条件反応(UR)であると言える。しかし、次に問題となるのは、自分でくすぐっても、くすぐったいという感覚が起こりにくいという点である。山口先生によれば、
  • (他者からくすぐられる)→予測できない動き→外敵→くすぐったい
  • (自分でくすぐる)→脳が予測→くすぐったくない
ということで、刺激が予測できるかできないのかがカギになっているという。

 もっとも、他者から「この場所をくすぐりますよ」と予告されても、くすぐったい感覚は同じように起こる場合がある。予測可能かどうかより、コントロール可能かどうか(他者から与えられる刺激はコントロールできないが、自分でくすぐる行為は100%コントロールできる)のほうが重要であるようにも思える。

 「くすぐったさ」と似たような特徴は、「痛み」についても言えるかもしれない。歯の治療の際に感じる「痛み」は、予測不可能であり、またコントロール不能でもある。(←予測可能性とコントロール可能性のどちらが働いているのかは分からない。)

 もう1つ、「痒み」という感覚にも謎がある。「痒み」に対しては「掻く」という行動が有効であるが、掻いてばかりいると皮膚が炎症を起こして治りにくくなってしまう。むしろ「掻かない」ほうが適応的であるように思えるのだが、進化生物学的にみて、なぜ、「掻く」という行動が強化されやすくなっているのだろうか。