じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
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 台風19号の接近により、8月21日の岡山は最大瞬間風速16.7メートルを記録した。夕刻には台風特有の筋状の雲と夕焼けが見えた。また、この日は、18時39分には月と土星が2°08′まで接近したほか【一番下の写真。月の右下にあるのが土星】、東から火星、月と土星、木星、金星がほぼ等間隔に並んで光っており、地球が太陽系の1つであることを実感する夕空となった。


2018年8月21日(火)



【小さな話題】二歳児行方不明・救出/ボランティア活動はどこまで巨視的に捉えるべきか

 8月12日に山口県で二歳の男児が行方不明となり、15日朝、大分県からボランティアで駆けつけた尾畠さんによって無事救出されたというニュースが大きく取り上げられていたが、当該の男児はその後、無事に退院されたとのことで一件落着となった。

 男児が無事に救出され、事件性が無かったことなどを考えると、当該家族のプライバシー保護の観点からこれ以上は話題にすべきではないという気もするが、今後、同じような事件・事故が起こった時に最善の対応をとるためにどうすればよいかという点から、いくつかの疑問点は整理しておく必要があるようにも思える。

 まず二歳児に関しては、
  • 二歳児は曾祖父宅に戻ろうとしたのに道に迷ってしまったのか、別の場所に遊びに行こうとして道に迷ってしまったのか?
  • 当初家族と一緒に海水浴に出かけたはずなのに、なぜ途中で行くのを嫌がって引き返そうとしたのか。
  • 発見時、二歳児はどういう返事をしたのか。報道では「ぼく、ここ」とか「おいちゃん、オレ、ここ」などと答えたというが、二歳児が「ぼく」という一人称と、「ここ」という現在地を示す代名詞を使った視点取得表現をできるとは考えにくい。単純なうなり声か泣き声を上げただけではないのか(尾畠さんにはその声が「ぼく、ここ」というように聞こえただけではないか)
といった疑問が残る。

 いっぽう、救出劇の立役者となった尾畠さんについては、すでにウィキペディアにも掲載され、8月15日〜16日頃には、民放各局でも大きく取り上げられていた。私自身も、朝8時からの「とくダネ!」を録画・再生で拝見させていただいたが、どこまでプライバシーに立ち入ってよいのかという報道上の問題があるように思えた。

 基本的には、ボランティアの行為は、それ自体無条件に称賛されるべきであり、それを行った人の私生活や過去の経歴によって評価が変わるものではないと思う(例えば、脱走犯が逃走中に車道上で転倒したお年寄りを助けようとして車にはねられたというような場合、お年寄りを救った行為自体は脱走犯の過去の犯罪歴と切り離して無条件に称賛すべきであると思う。) 但し、そうは言っても、人間の行動は行き当たりばったり、個々バラバラに行われているわけではない。巨視的・長期的に捉えるならば、個々のボランティア行動はそれを行う人の生活全体の中で他の諸行動と連関しており、何らかの方向性をもって遂行されているはずである。今回の尾畠さんのケースでも、過去のさまざまなボランティア活動歴、さらには生い立ち、登山、日本列島縦断などと関連づけることでより深く共感することができるとは思うが、そうなるとどうしても、私生活の中身に立ち入らざるを得なくなる。基本的にはご本人の意向次第だとは思うが、どこまでプライバシーを守るべきかというのは難しい問題である。