じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 台風19号の間接的な影響で、8月22日の岡山は、最低気温28.0℃、最高気温35.1℃という猛暑になった。写真は不気味に赤く染まった19時頃の西空。19時時点でも31.2℃の暑さが続いていた。


2018年8月22日(水)



【小さな話題】一緒に過ごせる残り時間

 8月17日(金)の昼過ぎ、NHK総合で、

チコちゃんに叱られる!チコっとだけスペシャル「親子で一緒に過ごせる時間」

を放送していた。2017年8月2日に放送されたバイロット版#2の一部を再構成して再放送したということであった。

 この回では47歳の岡村隆史さんが父親と一緒に過ごせる時間はあと13日しかないこと、石原良純さんが父親の石原慎太郎さん(当時84歳)に至っては残り7日にすぎないことなどが取り上げられた。

 ここでいう「一緒に過ごす」というのは、同じ部屋、あるいは移動中の車内などで過ごすという意味である。子どもは、幼稚園入園までは殆どの時間を親と一緒に過ごすが、その後は通学の時間があり、さらに高校生になれば、親と同居していてもあまり一緒に居たがらなくなったりして、一緒に過ごす時間は殆どなくなる。ある調査によると、親と一緒に過ごす時間全体を100%とした場合、そのうちの55%は小学校卒業までの期間で占められ、18歳以降は27%未満しか残っていないという。

 また、子どもと一緒に過ごす時間は、母親が約7年6か月であるのに対して、父親は約3年4か月に過ぎない。この違いは主として、幼稚園から小学校の頃、帰宅後に母親は家で迎えるのに対して父親は夜まで戻ってこないといった違いを反映しているためと思われる。【なので、共稼ぎ家庭や、父親が在宅勤務や小売り、農業などに従事している場合は大きく異なる。】

 この話題を通じて改めて考えたのは、「一緒に過ごす」をどう定義するのかという問題である。
  • 「いつでも直接声をかけられる状態にある」というように定義すると、家族よりも職場の同僚のほうが一緒に過ごす時間は長くなるかもしれない。
  • 近年、SNSの発達により、海外旅行中でもLINEやSkypeなどで会話が交わせるようになった。時差に配慮する必要はあるが、「いつでも声をかけられる」環境は大きく変わっている。
  • 夫婦や親子であっても、農業、漁業、商店、手工業などで共同作業に携わっていない限りは、同じ空間で長時間過ごすことは殆ど無い。にもかかわらず孤独であると感じないのは、その気になればいつでも一緒に過ごせるかどうかにかかっている。
 ということで、「一緒に過ごす」時間を増やすということは、物理的空間を共有することとは明らかに異なる。遠くに引っ越したとしても、いつでも会える限りにおいては寂しさは感じない。死別を悲しむのは、「いつでも会える」が断ち切られてしまうからである。お墓参りをしたり、命日に何らかの行事をしたりするのも、故人と一緒に過ごすという擬似的な体験が可能になる(かもしれない)からに他ならない。