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今年の9月は、台風や秋雨前線の影響で雨の日が多い。気象庁統計によれば、9月1日から22日までのあいだで、0.5ミリ以上の降水量を記録した日数は13日、このほか0.5ミリ以下の少雨の日をが5日となっており、全く雨の降らなかった日はわずか4日にとどまっている。9月の1か月の降水量の平年値は87.4ミリであるのに対して、今年は9月22日の朝までで214.0ミリを記録しておりすでに平年の2倍を超えている。 写真は蜘蛛の巣に付着した水滴。オオヒメグモの巣と思われる。 |
【小さな話題】 又吉直樹のヘウレーカ:アリ社会の分業と「利他」性 又吉直樹のヘウレーカのレギュラー放送は9月19日までで19回を数えているが、録画しているだけでまだ視ていない回がだいぶ溜まってしまった。今回その中の第4回「サボる“アリ”はいないのか?」(2018年4月25日初回放送)をやっと視ることができた。アリは世界で一万種以上、また最も個体数が多い生物[※]でありその数は1京匹(10の16乗)にのぼるという。 [※]微生物や海中生物はもっと多いはずなので、ここでは、目に見える昆虫や動物の中で最多という意味かと思う。 「サボる“アリ”はいないのか?」では冒頭、人類が20万年の歴史を持つのに対して、アリの社会が完成したのは5000万年前であり、地球上での適応の歴史が遙かに長いことが指摘された。 最初に登場したクロオオアリは、
番組の中程では珍しいアリや、興味深いアリ社会の仕組みが紹介された。
以上が私自身が理解した範囲での番組内容であるが、アリ社会の仕組みは人間社会の歴史を理解する上でも有用なヒントを与えていることは確かである。例えば今の社会では、個人個人の人権が守られた平等社会が正しいとされる一方、奴隷制や世襲の身分制度は望ましくないとされている。しかし、過去の歴史を振り返ってみると、科学技術や芸術文化は、生産労働を強いられない階層があればこそ発展してきたという面がある。大規模な都市やインフラは中央集権的な体制がなければ造り上げることができなかったかもしれない。 もっとも、上に述べたように働きアリの「利他的」行動の背景には、単数倍数性による性決定による平均血縁度の大きさの違いがあり、そのような繁殖を行わない人間に当てはめることは根本的に誤っているという見方もあるだろう。(人類の繁殖力が低下し、クローン人間を作って生産を維持しようとするような社会にでもなれば話は別だが。) |