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大学構内の植栽に巻き付いているノブドウが宝石のような実をつけている。ウィキペディアに、「果実は、熟すと光沢のある青色や紫色などに色づく、又は白色をするが食味は不味い。白い実は本来の実であり、青色や紫色の実は虫が寄生している寄生果である。」と記されており、白色以外は虫えい果であるようだ。もっともこちら(←ジオシティーズのコンテンツのため2019年3月以降は閉鎖される見込み)によれば、いくつかの未確認点、あるいは世間で流布している誤解などがあるようだ。 なお昨日の日記にツタの写真を掲載したが、枝に絡まって樹木のてっぺんまで伸びるような蔓は、ツタではなくノブドウである可能性が大きい。 |
【小さな話題】 チコちゃんに叱られる!「なんで女性は電話に出ると声が高くなる?」 久しぶりに「チコちゃんに叱られる!」を録画・再生で視た。今回は、少し古いが、第24回(10月12日放送)に関する話題。 この回で印象に残ったのは、 ●なんで女性は電話に出ると声が高くなる? であった。番組によると、
以上の解説の中で納得できたのは、子どものほうが声帯が細くて短いことからみて、高い声のほうが「体が小さい=力が弱い、危害を加えない、かわいらしい、無害」という印象を与えるという部分である。 しかし、だからといって、「私は小さい存在で無害ですから安心してください!」という印象づけを「目的」として高い声で話すというのは、行動の原理からみてちょっとおかしい。 少なくとも強化と弱化の原理から言えば、ある人が持ち前の声よりも高い声で話すように習慣づけられるためには、
また、この番組では「なんで女性は電話に出ると声が高くなる?」というように女性の声だけが取り上げられていたが、単に「高い声が好印象を与える」というだけなら男性でも声が高くなるはずだ。なぜ女性だけなのかも説明する必要があるだろう。 なお、アメリカでは電話で喋る時に必ずしも高い声にならないということだったが、金谷武洋先生の『日本語文法の謎を解く』第1章には、以下のような記述があった【12〜13ページ】。 日本人の声は遠くへ届かないことをまず知ってほしい。それと較べると、英語話者の声は実に遠くへ届く。金属的な音色とでも言おうか、声を響かせる身体の位置が違うのである。私の耳には英語話者が頭蓋骨を共鳴箱として使っているように聞こえる。...【中略】...日本人は英語を話す際に、舞台俳優かオペラ歌手になったつもりでよほど意識的に努力しないと「遠くへ届く声」を出せないのである。また、出された声は客観的に機械で測定できる。日本語の音声は周波数で1250から1500ヘルツの間に収まるが、英語ではそれと隔絶した2000から8000ヘルツであると石川九楊著『二重言語国家・日本』(NHKブックス)に書いてあるのを最近目にした。この金谷先生の記述を受け入れた上で推測すると、アメリカ人は最初から遠くへ届くような高さの声で話しているので、電話で喋る時も同じ高さで喋る。いっぽう、日本人は、電話の時に普段と同じ高さの声で喋ると(周囲の雑音でかき消されたり声が小さすぎたりして)聴き取りにくいため、相手に聴き取りやすいような声を出すように、まさに分化強化・分化弱化されたという説明が成り立つかもしれない。 【上に述べた可能性とは全く違った見方になるが】あと、ライオンでも犬でも猫でもそうだが、低いうなり声は相手を威嚇する一方、甲高い声は、悲鳴や甘えとなることが多い。また人間では、緊張した時のほうが声が高くなるように思う(←某家族が幼稚園運動会の進行係を務めていた時などは声が1オクターブ高くなっていた)。もしこうした生理的メカニズムで声が高くなるのであれば、強化や弱化の原理は当てはまらない。要するに、無条件反射的に、体の状態に対応して声の高さが変わるというだけであって、それがどういう印象を与えるのかといった行動の結果によっては左右されない現象だということになる。 |